活動

2018年4月吉日

 会員各位

特定非営利活動法人 はだしのゲンをひろめる会第6回総会 ご案内

特定非営利活動法人 はだしのゲンをひろめる会

理事長  浅妻南海江

 陽春の候、皆様にはお変わりなくお過ごしのこととお喜び申し上げます。

 さてNPO 法人はだしのゲンをひろめる会が活動を始めて6回目の春が巡って参りました。この5年間、試行錯誤の中から多くを学び、実績を積むことによって、細かった活動の幹は徐々に太くなり、枝葉を延ばしてようやく平和運動の大地に根付いてきたことを実感する昨今です。

 米、北朝鮮の険悪な関係によって、一時核戦争が現実味をおびたことは、核抑止力の理論が人類にとって如何に危ういものであるかを物語っています。

 今後も、核兵器へ警鐘を鳴らし、平和を願う少年ゲンの一層の活躍を願い、皆様と共に活動を続けて参りたいと思います。

 万障お繰り合わせのうえご出席いただければ幸甚に存じます。

 日 時  2018年5月13日(日)10:00~11:30 

 場 所  金沢市近江町交流プラザ4階研修室1

 第1部     総会記念企画 

      DVD上映「かあさんと呼びたいー原爆孤児を支えた心の里親運動」(30分)

       (読売テレビ制作 NNNドキュメント 2016年4月18日放送)

 第2部  総会審議事項                             

     ①2017年度事業報告及び2017年度活動計算書

     ②2018年度事業計画案及び2018年度活動予算案

 

 2017年7月に本会から中国大陸の大学関係者20人に「はだしのゲン」英語版14セット、日本語版22セットを寄贈しました。このほど大連外国語大学日本語科の学生から「はだしのゲン」読後感想文(2通)が中国語版翻訳者の坂東弘美さん方に届きました。同大学の担当教員及び当該学生の了解を得ましたので本会ホームページに紹介します。

 

 『はだしのゲン(日本語版)』を読んで            

 2017.12.大連外国語大学日本語学部学生より

◎私はこの本を二回読みました。とても長いので一気に読むことはできず何回かに分けて読みました。この本は本当にとても素晴らしいです。

 迫真に描き出された物語には、とても引き込まれ、またその絵柄は素朴で親しみやすいです。読みながら、ある種の不思議な衝動が私の中に沸き起こりました。

 小さい頃、祖父の家に暮らしていた私が見るものはすべて、(今日では)「抗日神劇」(と揶揄される荒唐無稽な)TVドラマでした。日本鬼子がどんなに(残虐に)村を焼き、人を殺し、抗日戦士に酷い仕打ちをしたかとということばかりを毎日毎日、目にしていたのです。

 小学校から大学まで教科書には日本の悪い論評しか書かれていませんでした。日本の庶民の立場からの記述というのは故意に無視されていたのです。

 戦争が嫌いなのは世界中の誰もが同じはずです。但し、幼少時から大人になるまで、私の世界観の中で、日本国民もまたそうであるということは考えたこともなかったのです。

 この漫画は私に新しい物の見方を提供してくれました。私の世界観を刷新し、より客観的な目で戦争と向き合わせてくれるものです。

 私自身は戦争を題材にした本が嫌いではありません。なぜなら、読み終わった後で、多くは心が奮え、熟考させられ、深い思いに引き込まれるからです。

 一旦戦争が起きれば、この本に書いてあることは遠い昔のフィクションではなく、一瞬で現実になり、それをこの本は警告しているのです。

 かつて体験したことが無いため、戦争のもたらす報いに対して私たちは感覚が麻痺している所があります。

 ですから、日本人の危機意識に学び、戦争への警戒を常に怠らないようにすべきです。戦争をより正しく理解してこそ、より強く反戦の立場に立てるのです。この漫画の著者には、大きな大きな賛辞を送りたいです。

 

◎これは私が初めて読んだ、そして、私にとって特別な意義を持つ本となりました。以前はただ日本の原子爆弾の事件は、歴史の教材の中の一部分にすぎず、単なる文字であり、さしたる感情はありませんでした。

 私は漫画の魅力は、ひとコマひとコマの描写を通して、小さな紙の中により生き生きとした形象を表現できることだと思います。

 原爆投下はとても悲痛ではありますが、目を背けてはならない題材です。時間の問題があって、私はただ漫画の前半部分だけ見たのですが、主役のお父さんは平和を求めて戦争に反対し、投獄されました。そのため彼の子供達も学校で虐められ先生からも侮辱を受けました。隣近所の人々にも散々なことを言われました。

 しかしこのような環境下で、子供達は毅然としてお父さんの理念を貫きます。――戦争に反対し、平和を訴えたのです。

 私はこれも作者が読者に一途に伝えたいことだと思いました。またまわりから孤立して、米さえ手に入れられない状況の中で、まるで砂漠の中で一滴の水を送るように、朝鮮人は彼らに米を分け与えました。

 苦難に満ちた暮らしの中で、変わらず支えてくれ、信じてくれる人がいるということを。まさにこのことだけでも生きていく力がわいてくるものです。そう思いませんか?

 この世界には友好が足りないのかもしれません。しかし、少なくとも私たちの心の中には優しさがあります。そして、正しい事を成すのであれば、何を恐れることがあるでしょう。

 それになにより、私は一人ぼっちではなく、この道には平和を支えようとし、正義を信じる多くの人々がおり、彼らと共に歩むことができるのですから。

 

ICANおめでとうアクションに参加した皆さん(12月10日、近江町市場前)

マイクで「ヒバクシャ国際署名」を呼びかける西本多美子さん(石川県原爆被災者友の会会長)

 

ICANノーベル平和賞受賞記念 

「おめでとうアクションin金沢」の報告

 2017年12月10日。ICANのノーベル平和賞授賞式の朝は、冬の金沢に は珍しく、青く澄み切った空が広がりました。あの時黒い涙を流し た空も、ICANの受賞を祝福してくれたのかもしれません。

 石川県原爆被災者友の会など、県内7団体で構成する「反核・平和お りづる市民のつどい実行委員会」は、この日午前10時半から近江町市場前で、ICANノーベル平和賞受賞記念「おめでとうアクション in金沢」を行いました。核廃絶運動が次世代に受け継がれているこ とを象徴するかのように、被爆者や二世、大人から子どもまで幅広 い世代約30人が集いました。

 「おめでとうマイクリレー」では、この企画の発起人である核戦争 を防止する石川医師の会代表世話人の白崎良明さんや石川県原爆被 災者友の会会長の西本多美子さんら7人が、ICANの紹介や被ばくの 実相、ヒバクシャ国際署名への協力を訴えました。そして、「ノーベル平和賞受賞者はICANだけではありません。被ば く者の皆さん、そして、こういった活動を進めてきた皆さんも受賞 者です。皆さん、おめでとう!」と伝えると、参加した子どもたち は「俺らも受賞者なん?!やったー!」と大喜び。私たちの喜びが 伝染したかのように、街ゆく人にも笑顔が溢れていました。

 この日のために準備した「おめでとうグッズ」(メッセージ付きポ ケットティッシュやICAN発行のブックレットなど)300個は子どもたちの活躍で瞬く間になくなり、集約したヒバクシャ国際署名は104筆、 募金6,500円。約一時間の行動は、名残惜しく終了しました。

 さあ、皆さん。ICANは既に、すべての国に核兵器禁止条約への署名・批准を促すための新しいキャンペーンを開始しています。私たちもICANのCampaigner(運動家)になり、核のない未来に向かって歩み をさらに進めましょう!DVD「この空を見上げて~石川・被爆者たちの証言~」とヒバクシャ国際署名を携えて。

  
 最後に、「おめでとうアクション」を前に行った記者会見(10月8日、 反核・平和おりづる市民のつどい実行委員会主催)で西本多美子さん が話された内容(要旨)を紹介して報告を終えます。

〇  ICANは世界中の草の根で活動する若い人たちの団体。ICANの受 賞は被爆者の運動が次世代に引き継がれたことを意味する。本当は授賞式のあるノルウェー・オスロに行きたかったが、体がついていかなかったのが残念でならない。

〇  高齢の被爆者に残された時間は少ない。将来をになう若い人たちとともに、核兵器を全てなくすために、被ばくの実相を伝え続けていきたい。

   はだしのゲンをひろめる会も参加している反核・平和おりづる市民のつどい実行委員会主催による「ICANノーベル平和賞受賞 おめでとうアクションin金沢」が計画されています。

  今年のノーベル平和賞は、核兵器の廃絶をめざして活動し、核兵器禁止条約の制定に貢献した国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)に授与されることが決まりました。

 12月10日にはノルウェー・オスロで授賞式が行われます。この授賞式の日、金沢では「ICANおめでとうアクション」を行います。
 おめでとうの思い、みんなに伝えたい核廃絶の思いをもって、近江町市場エムザ口にご参集ください。

◇講演要旨◇

ヒバクシャ国際署名キャンペーンイベントin金沢

核なき未来はぼくらがつくる!

ヒバクシャ国際署名キャンペーンリーダー         

林田  光弘

 

 10月15日(日)、金沢市松ヶ枝福祉館で「ヒバクシャ国際署名キャンペーンイベントin金沢」が開催されました。最初に今年六月に完成したDVD「この空を見上げて~石川・被爆者たちの証言」の第1部(38分)を上映した後に、長崎出身の被爆三世で国際署名キャンペーンリーダーである林田光弘さんの講演がありました。

   主催は反核・平和おりづる市民のつどい実行委員会。以下は林田さんのお話しの要旨です。

 

           

 二つの画期的な出来事

 この間に二つの画期的な出来事がありました。一つは7月7日に国連で「核兵器禁止条約」が採択されたこと。もう一つはICANがノーベル平和賞を受賞したことです。ICANとは、核兵器禁止条約をつくるために結ばれた世界中の500余の団体のネットワークのことです。ノーベル平和賞というのは政治的な賞で、かつてオバマ大統領が受賞したのも核兵器廃絶に向けての期待を込めてのものでした。この二つの出来事に共通しているのは被爆者の体験がエネルギーになって実現したということです。私は、これらのことを通じてキャンペーンメンバーに対して、次は被爆者に核廃絶を届けるのだという宿題をもらったと受け止めました。

 事態を正確に捉えるために詳しく見ていきます。

 被爆者の四つの概念

 被爆者というのは法的な概念です。特定地域の四つの分類(直爆、入市被爆、介護被爆、胎内被爆)の条件を満たす者となっています。被爆者の数は2017年3月現在で164,621人となっています。1980年がピークで372,264人でした。被爆者であるということで差別されることを恐れて名乗りをしていない人や被爆者手帳をとっていない人がかなりの数います。

 今日までが被爆体験

 被爆体験と言いますが、被爆者にとっては1945年8月6日と9日から今日までが被爆体験であるということです。健康上、精神上、社会的にも大変な体験が今も続いているということです。

 また健康手当など被爆者援護の施策は色々ありますが障害者などと同じ社会福祉の制度です。国家が行った戦争によって被害を被ったことへの「国家補償」ではないということです。それから在外被爆者、台湾や朝鮮半島(特に帰国運動当時はより豊かであった北朝鮮の地域に帰った人の方が多かった)など戦前は日本の植民地であった地域に住んでいるひとが除外されていた事実もあります。更にABCC(放射線影響研究所)の問題があります。被爆者はここに連れていかれてデータだけ取られました。治療をすればデータがとれないから肝心の治療はしてもらえなかったわけです。これらが被爆者体験という事実です。

 核兵器は大量破壊兵器

 核兵器について述べます。効果が一定の対象に限定できないという意味で大量破壊兵器とされています。大量破壊兵器で最大、最悪のものが核兵器ですが、現在の核兵器は広島・長崎で使用されたものの3,300倍の破壊力を持ち、9か国で14,900発保有しています。1970年に発効したNPT体制とは、当時の既保有国5か国を除いて他国の保有を許さないというものでした。5年ごとに再検討会議を開いて効果を検証して来ましたが、その後4か国が条約から離脱し、拡大されてしまいました。そこで2010年に赤十字国際委員会は核兵器の非人道性に着目して総裁声明を出しました。さっきの被爆者の四つの類型のうち「介護被爆者」の存在は、医療者にとっては被爆者の救護に当たって敵であるか味方であるか、勝者か敗者かは関係ありません。この核兵器の非人道性の考え方に基づいて再検討会議の間に国際会議が開かれ核兵器禁止条約に繋がりました。

 何をなすべきか?

 では、何をなすべきかです。日本政府は条約交渉会議に参加しませんでした。採択後も署名しないと表明しました。日本政府は国連総会に毎年「核全廃宣言」を出して多数の賛同を得てきましたが、核兵器禁止条約が採択された今年は世界から相手にされていません。私たちは「核の傘」に向き合うべきです。核保有国とその同盟国の中で、唯一の戦争被爆国である日本政府の動向は重要です。日本政府が橋渡しの役割を本当に果たせば、大きく変わる可能性があります。例えばオバマがやろうとした「核の先制使用はしないという宣言をする」こと、「全ての核実験を禁止すること」など現実的対応を引き出すことも可能です。ヒバクシャ国際署名を推進しましょう。

 署名は対話のためのツールです。日本の署名の到達は5,154,866筆まで来ました。ヒバクシャ国際署名に賛同して署名をした自治体の首長は867あります。全国の自治体数の過半数です。核保有国と我が国を含めた多くの同盟国の参加を求め、核抑止力による安全保障政策を変えさせる運動を一層強めなければなりません。核廃絶を「夢」にしないために。

◎講演会終了後、近江町市場前でヒバクシャ国際署名を呼びかける宣伝行動を20名の参加で行いました。短時間でしたが40筆を超える署名が集まりました。

 

平和のための戦争展実行委員会が開いた「戦争展in江戸川」 (9月17日、18日 タワーホール船堀1階ホール)

出演者・スタッフのみなさん(右から2人目が筆者の浅妻南海江さん)

「歴史の真実を語り継ぐ   戦争展 in 江戸川」に参加して

                  浅妻南海江

 9月17,18日の両日、東京江戸川区のタワーホール船堀で「歴史の真実を語り継ぐ 第17回戦争展 in 江戸川」が開催されました。実行委員会の1団体である江戸川区原爆被災者の会「親江会」が<はだしのゲンを語る>という特別企画をするということで、ひろめる会に参加の依頼がありました。戦争展全体ではDVDの上映や「戦争をめぐる民話」と題して朗読などがありました。

 ゲン関係の企画全体は元ピンクレディなどプロディ―スされていた貫泰夫さんで「久しぶりのプロデュースにわくわくしている」と大変な力の入れようでした。ご自身、広島まで出掛けて中沢先生の思い出の地を巡り、たくさん写真を撮ってこられました。当日は映像をステージの背後で流しながら各々が発言する、という形式で行われました。

 発言者は中沢先生のたった一つ遺された詩「広島 愛の川」の作曲者、山本加津彦さん、広島カープの山本浩二選手の兄で貫さんと同級生の山本宏さん、親江会の方々、それにアラン・グリースンさん(英語版)、坂東弘美さん(中国語版)、浅妻南海江(ロシア語版)が加わり、坂東さんが「中国からの寄贈希望が30近くの大学からあった」と話した時は会場が少しざわつきました。予想外のことだったからだと思われます。

 被爆証言をされた山本宏さんの話をお聞きしながら、中沢先生も東京に出て20年もの間、原爆に背を向けておられたことを思い出していました。みなさん、どんなにか辛く、悔しい思いをされたかを思うと仇やおろそかに被爆証言を聞くことは出来ないと強く感じました。当時を思い出して3巻までしか『はだしのゲン』を読めなかった、ともおっしゃっていました。

 吟じられた「原爆行」は心を打ち、丸木位里さん、俊さんの原爆の図が脳裏に去来しました。

 山本加津彦さんはAKB48や東方神起に楽曲を提供している人気の作曲家です。ここ3年、8月6日に広島の川沿いで子供たちを中心に「広島 愛の川」を大合唱するイヴェントを行っておられます。

 ご自身が作曲を申し出られた山本さんの平和への強い意志の根底には学校で読んだ『はだしのゲン』の影響もあったことを知り、学校の現場で平和を伝え続けるゲンの活躍に感慨深いものがありました。

 最後に広島の川沿いで歌う子供たちの大合唱が映し出されました。

 「広島 愛の川」8月6日川沿い大合唱 公式 Music Video

 https://www.youtube.com/watch?v=vbNyHpGEgr0

 中沢先生の眠っていた詩は先生亡き後、奥様に披露されたことによって世に知られ、山本加津彦さんの作曲によって命が吹き込まれて目を覚まし、加藤登紀子さんに歌われることによって歩きはじめ、川沿いで歌う子供たちの大合唱で今や駆けだしている、と私には感じられます。

 会場からは「昔、子供がゲンを愛読していて言葉が汚いと、学校から呼び出されたことがある」というクスッと笑えるような発言もありました。

 「はだしのゲン」紙芝居CDは壇上でPRする機会があり、持参した10枚のCDは完売でした。翌日の『はだしのゲン』の紙芝居は生憎見ることはできませんでしたが、「もしかして紙芝居の現場でPRすればもっとCD売れたのでは?」といささか残念に思っています。

 今回のイヴェントを通じて、平和団体との横の関係をより太くすることでゲンの活動も広がっていくことを感じた次第です。

(NPO法人はだしのゲンをひろめる会理事長)

8月3日~5日、広島市内で開かれた原水爆禁止世界大会・国際会議の開会総会にて

 

原水爆禁止2017年世界大会・国際会議   参加報告

(1)江守道子(はだしのゲンをひろめる会副理事長)  

  1955年8月から始まった原水爆禁止世界大会が、今年も8月3日から9日にかけ広島と長崎で開催されました。私は、そのうち3日と4日の2日間広島で開催された国際会議に、はだしのゲンをひろめる会を代表し昨年に続き2回目の参加をしました。今年のテーマは「核兵器禁止条約を力に、核兵器のない平和で公正な世界の実現」でしたが、世界26か国から海外政府代表をはじめ、国内外の平和運動活動家が約260名一堂に集い、会場は開始前から熱気に包まれていました。一昨年、白崎良明先生が国際会議で初めて「はだしのゲン」寄贈運動について発言して以来、今年で3回目となり、これまで以上の寄贈先を目指し事務局の大田さんと共に参加しました。

 総会が始まり、冒頭、野口邦和運営委員会代表が「核兵器廃絶を求める運動が実り、核兵器禁止条約を交渉する国連会議において、核兵器禁止条約は国連加盟国の63%が相当する122か国の賛成で採択され、その瞬間、議場は総立ちになり大きな拍手と歓声に包まれ各国政府代表と市民社会代表が抱き合って喜んだ歴史的な幕開けになった」と報告。また、条約の内容が原水爆禁止世界大会の主張と重なっていることにもふれ、「条約は世界大会が積年にわたって議論してきた到達点。一刻も早く発効することを祈念したい。被爆体験の継承、ヒバクシャ国際署名に取り組もう」と熱く語りかけました。被爆者代表・日本被団協の藤森俊希事務局次長は「条約が採択された時、原爆犠牲者など条約を目にすることのできなかった多くの先達が頭に浮かんだ。条約採択を被爆地に報告し、喜びを分かち合いたい」と、その胸の内を語ったのが、とても印象的でした。

 その後、質疑に入り、漫画「はだしのゲン」寄贈運動を英語で紹介。被爆者の証言活動も高齢化と共に困難となっているため、広島で被爆し、たくましく生きた故中沢啓次氏の自伝「はだしのゲン」の生きざまを通し、兵器の悲惨さ、戦争の愚かさ、平和の尊さを学んでもらいたいと訴えました。

 すでに英語、ロシア語、中国語、韓国語をはじめ世界24か国語に翻訳され、ゲンは少しずつ世界中を駆け巡っています。私の発言後、早速、中東・アフリカの高校や大学の教員グループの一人から申し込みがあり、「同行した仲間も紹介したい」と言われ、会場の一角でアルジェリア、エジプト、ヨルダンをはじめ、7か国からの教員の方々に事務局の大田さんと共に説明。そして彼らの所属する10数校への寄贈の申し込みを受け、今後も訴え続ける決意をしました。

『Barefoot Gen』を寄贈した中東の高校・大学の教師たち(右から3人目が筆者)

 午後から第一セッションに移り「広島・長崎の原爆被害、核兵器の非人道性、ヒバクシャの闘い」をテーマに議論。ノーモア被爆者訴訟弁護団 藤原精吾団長、韓国原爆被害者協会 朴 ジョンスン氏はじめ、マーシャル諸島やオーストラリア先住民核実験被害者、ベトナム枯葉剤被害者などから被爆の告発がありました。それぞれ、想像を絶する体験や今日に至る放射線の世代を超えた人体への影響などを詳しく語り、参加者一人ひとりの胸に深く刻まれました。

 夕方から始まった、第二セッションでは、「核、兵器禁止条約から廃絶へ―平和運動、市民社会の役割」をテーマに、日本原水協の安井正和事務局長、米、英、仏、ベトナム各国の市民・政府代表が「核抑止のイデオロギーを非合法化し、根底から変えよう」とジャッキー・カバソ(米・西部諸州法律財団事務局長)氏と討論。日本共産党を代表し緒方靖夫副委員長が「今や、核禁止から完全廃絶の時代。そのため核兵器禁止条約の持つ画期的・先進的重要性の認識を高め、世論に広げること。各々が、自国の政府に働きかけ条約を受け入れるよう迫るためにも『ヒバクシャ国際署名』に取り組もう」と呼びかけ、被爆国でありながら条約に反対する日本政府への粘り強い働きかけが必要だと痛感しました。

 2日目の第三セッションのテーマは「核兵器のない世界へ行動と共同ー核抑止力論の克服、戦争の平和的解決、放射能被害の根絶、安全な暮らしと環境」でした。アメリカ、国際平和ビューロー

 ベトナム、日本代表のいずれも核兵器禁止約が新しい時代を作り、これまで以上に各国政府に圧力をかけ続け、条約の履行を働きかけることが重要との考えで一致。午後からの第一分科会では、78歳元教師の女性の被爆証言を聞き、改めて平和の貴さを思い知りました。

 戦後72年が過ぎ、平和を享受してきたはずですが、世界のいたるところで戦争は今なお続いています。また昨今、日本をはじめアメリカ、朝鮮半島では、連日、核をめぐり非難合戦が続きます。私達は、今こそ一人ひとりが「核のない平和な世界」実現に向けて行動する時です。共に頑張りましょう! 

◎『はだしのゲン』寄贈報告

 今年の国際会議にはNPO法人はだしのゲンをひろめる会から2人、プロジェクト・ゲンから2人参加し、会場で『はだしのゲン』英語版(全10巻)やアラビア語版(第1巻)等の寄贈希望を呼びかけたところ アメリカ、レバノン、チュニジア、イスラエル、モロッコ、ヨルダン、パレスチナ、フィリピン、アルジェリアの9か国14人に英語版18セット、アラビア語版21冊を寄贈することができました。 

 

8月5日~6日、広島市内で開かれた原水爆禁止世界大会・開会総会にて

(2)大田健志(はだしのゲンをひろめる会事務局)

 今年も原水爆禁止世界大会・広島では、8月6日に「ヒロシマデー集会」が広島県立総合体育館・グリーンアリーナで開催され、国内外から約2,000人が参加しました。集会では、日本原水爆被害者団体協議会の田中熙巳代表委員、そして非核国家オーストリアのマルチン・クリューガー外務省軍縮軍備管理不拡散局次長の発言が印象的でした。

 田中熙巳氏は、まず今回の世界大会が歴史的・感動的な核兵器禁止条約採択後の開催であることを喜びたい、そしてヒバクシャ国際署名で目標にしていた2020年よりも早く条約実現ができたことも嬉しいことだ、と発言されました。また、条約の文中にヒバクシャに関する記載が入ったことにも触れ、感謝とともにヒバクシャの長年の活動の意義を確信した、とも語っておられました。メッセージの最後には、「武力では市民社会の安全は守れません!」と高らかに宣言し、日本政府を条約に参加させることが必要だと訴えました。

 マルチン・クリューガー氏も、会場の盛り上がりをみて、この活動が間違ったものではないと確信した、と笑顔で話されていました。核兵器禁止条約は9月20日に署名が始まり、50カ国が批准した後、90日後に発効します。クリューガー氏は、ぜひ2018年中に条約発効を達成し、2019年にはオーストリアの首都ウィーンで第1回の締約国会議を開催したいと力強く展望を述べていました。

 他にも各国の政府代表からの連帯の発言や、青年企画のトークセッション「いかに政治を変えていくのか」でも国内外の発言者から、市民そして国を越えた連帯の必要性、その実現への未来志向な取り組み・希望が示されました。

 最後に「広島からのよびかけ」を採択。すべての国の核兵器禁止条約への参加や、日本政府がアメリカの「核の傘」から脱却する必要性、そのためには9月20日から9月26日に実施予定の世界同時行動「平和の波」に呼応した「草の根」の運動によって、核兵器のない世界をつくる決意が示されました。鍵となるのは、私たちひとりひとりが考え、行動し、世界を変えていく「草の根」の取り組み。それこそが、平和で核なき未来をつくるのだと再確認することができる世界大会でした。

「はだしのゲン」「Barefoot Gen」を寄贈した中国大陸の大学を表示しました

 

 「はだしのゲン」中国語版翻訳グループからの働きかけにより、中国大陸の大学関係者20人から英語版14セット、日本語版22セットの寄贈希望があり、下記のように本会から寄贈しました。

月日 寄贈先 日本語版 (セット数) 英語版 (セット数) 中国語版(セット数)
7月27日 中国 厦门大学 外文学院 1 1  
8月5日 中国 南通职大 1 1  
8月5日 中国 杭州师范大日本語科 1 1  
8月5日 中国 南昌大学 1 1  
8月5日 中国 天津工业大学 外国语学院日语系 1 1  
8月5日 中国 蘇州科技大学 外国語学院日語系 1 1  
8月5日 中国 大连外国语大学 3 1  
8月5日 中国 牡丹江师范学院 图书馆 1 1  
8月5日 中国 浙江大学 宁波理工学院日语系 1 1  
8月5日 中国 広西大学 外国語学院      
8月5日 中国 江苏师范大学 1 1  
8月11日 中国 建陵高级中学 1 1  
8月11日 中国 广东外语外贸大学东方语言文化学院 1 1  
8月11日 中国 泉州师范学院 外国语学院 1    
8月11日 中国 人民大学外国語学院 日本語学部  1 1  
8月11日 中国 人民大学 図書館  1 1  
8月25日 中国 北京外国語大学 日本学研究センター 1    
8月25日 中国 河北工業大学 1    
8月31日 中国 社会科学院日本研究所図書室     1
8月31日 中国 青島農業大学外国語学部 1    
9月1日 中国 吉林华桥外国语学院 东方语学院 1    
9月1日 中国 西安交通大学大学城市学院外语系 1    

 

 各大学から順次、受取証書や感謝状が返送されています。中国人民大学外国語学院から届いた感謝状を紹介します。

感 謝 状

 

尊敬する浅妻南海江理事長 様

尊敬するはだしのゲンをひろめる会御中

 

 拝啓  この度は、「はだしのゲンを広める会」より、汐文社刊全10巻漫画『はだしのゲン』の日本語版と英語版をお贈り頂きまして、中国人民大学外国語学院日本語学部・中国人民大学図書館を代表いたしまして、心より感謝の意を申し上げます。

 『はだしのゲン』中国語版翻訳者の坂東弘美さまのおっしゃったとおり、私たちは地球人として、核戦争を二度としてはいけない。平和の時代を生きている私たちであるこそ、戦争の悲惨さを忘れずに、世界の平和を祈るべきだと思います。

 『はだしのゲン』は優れたマンガ作品です。私たち教育の現場にいる者にとっては、それは平和教育はもちろん、日本語教育にも、そして何よりも日本のサブカルチャー研究、特に中国で行われ始めている日本マンガ研究にも大きな役割を果たせるべきだと思います。『はだしのゲン』を貴重な資料として、より多くの人に読んでもらい、活用させていただきます。

 ここであらためて「はだしのゲンをひろめる会」の寄贈活動に感謝いたします。

中日友好・世界平和をお祈りします。

敬具

中国人民大学外国語学院日本語学部

                          2017年9月7日

 はだしのゲンをひろめる会も参加している反核・平和おりづる市民のつどい実行委員会が10月15日、松ヶ枝福祉館で計画している「ヒバクシャ国際署名」キャンペーンイベントin金沢の開催案内を紹介します。

 

【確定版】171015林田講演会チラシ(PDF:837KB)

 

   印刷用(PDF:235 KB)

 

 9月23日、金沢市近江町交流プラザ集会室にて開かれる「国連・核兵器廃絶デー記念講演会」(主催:核戦争を防止する石川医師の会)にNPO法人はだしのゲンをひろめる会も後援団体として協力しています。本会HPに紹介します。

<国連核兵器廃絶デー記念講演会のご案内>

日 時 :2017年9月23日(土)午後6時半~8時45分
会 場 :近江町交流プラザ 集会室(定員80人)
入場料 :無料(申込必要:☎076-222-5373)
内 容 :
(1)被爆の実相を知る【DVD上映】
DVD「この空を見上げて~石川・被爆者たちの証言~」より一部 上映

(2)核兵器禁止条約について学ぶ【講演会】
核兵器禁止条約とこれから
―北朝鮮とアメリカへの日本の回答、北東アジア非核兵器地帯-
 お話:山口 大輔氏(NPO法人ピースデポ)

 NPO法人ピースデポは、核兵器廃絶と軍事力に頼らない安全保障の実現をめざす市民発のシンクタンクとして、核兵器をめぐる国際 情勢の最新動向を伝え、調査・研究活動を行っている団体です。
http://www.peacedepot.org/

★ 同日17:30より、近江町市場前(エムザ口付近)にて、 「ヒバクシャ国際署名」への協力を訴える街頭宣伝を行います。 ぜひご参加ください。
【集合】17:15、エムザ口バス停付近

 

 

はだしのゲン・紙芝居

出版物の紹介


はだしのゲン
『わたしの遺言』
 中沢啓治 著

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