海外からプロジェクト・ゲンに届いた感想文

 プロジェクト・ゲン(「はだしのゲン」翻訳ボランティアグループ)には海外の読者からたくさんの感想文が届いています。ロシア語版、英語版、アラビア語版の読者から届いたメッセージの一部を紹介します。

〇幼い平和の戦士!いろいろな国を大陸を歩いてください!

 どんな戦争も核戦争以上のものはありません、愛しいゲン!永遠に生きてください!そして地球が永遠に平和でありますように!幼い平和の戦士!いろいろな国を大陸を歩いてください!(ロシア語版を読んだチェルノブイリの読者)

〇このような悲劇を決してくり返してはなりません

 この恐ろしい悲劇は漫画「はだしのゲン」のページの上に移されました。若い人たちはもう無味乾燥な歴史の教科書からではなく、目撃者の記憶で描かれた絵からおぞましい日々を見、そして肌で理解しました。このような悲劇を決してくり返してはなりません。(ロシア語版を読んだキエフの読者)

〇この悲劇の記憶を世代から世代に伝えていくこと

 このまんがは単に現在なお原爆投下の恐ろしい結末を体験している日本の人々の苦しみを描いているだけではありません。これは改めることのできない過ちについての全人類の嘆きです。私たちのみならず、私たちの子孫が核戦争のこれ以上にない恐怖を体験しないために、今私たちのしなければならないことは、この悲劇の記憶を世代から世代に伝えていくことです。

 この物語の最も大切なことは、主人公の小さな少年ゲンを例にして、いかにしてこのような苦しみに耐えることができるのか、恐怖と絶望に打ち勝ち、人々に対する善意を持ち続けることができるか、冷酷にならないでいられるか、いかに自己の力の中に人生を喜ぶ能力を見つけることができるかを教えています。

 親たちは「はだしのゲン」を子どもたちに読ませることを恐れるべきではありません。(ロシア語版を読んだキエフ大学の学生)

〇世界が「はだしのゲン」を必要としています

 全巻を読み終えたとき、私は怒りと悲しみと希望が入り交じったものを感じました。私がこの本の存在を知らなくて、たまたまめぐりあったことと、この本がたくさんの人にまだ知られていないままだということを残念に思います。

 教科書には原爆について一言も書かれていないということに怒っています。とりわけ、私はだまされ、嘘をつかれていたことに腹が立ちます。人々はこの恐ろしい出来事を忘れてしまっていて、知らなくてこの上なくしあわせだと思っているようです。

 原爆は、とてつもない破壊力を持ち、恐ろしく不当な兵器です。私は核兵器廃絶が実現すると信じています。核兵器廃絶という目的で、広島平和公園に燃えている炎が消される日が来るのを、私は楽しみにしています。さらにもうひとつの原爆が落とされる日が来るなら、広島と長崎の人々の命が無駄に奪われた日となるのです。

 この本がいつでも外国の読者の手に入るように取りはからってください。世界が「はだしのゲン」を必要としています。中沢啓治さん、これらの本を書いてくださってありがとう。中沢さんは世界をよりよい方向に向かわせてくださいました。(英語版を読んだアメリカの中学生)

〇敵に仕返しをする一番いい方法は、寛容を学ぶこと

 そういうわけで、広島の出来事が科学的資料となり人権に盛り込まれることを私は望んでいるのです。多くの人が広島の原爆について知らなくて、平和の意味と、命と美の価値を正しく理解できないのだと私は確信しています。私たちが平和教育を受け始めれば、その効果は人々の上にあらわれると思います。それは世界のどんな政治勢力よりも大きな効果を発揮するでしょう。(アラビア語版を読んだカイロ大学1年生)

 

はだしのゲン・紙芝居

出版物の紹介


はだしのゲン
『わたしの遺言』
 中沢啓治 著

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