松江市教育委員会が「ゲン」閲覧制限を撤回

松江市教育委員会は8月26日に開いた臨時会議で、昨年12月に小中学校校長会にて漫画「はだしのゲン」の閲覧制限を要請したことは、手続きに不備があるとして要請を撤回することを決定しました。
松江市教育委員会の閲覧制限が報道された8月17日から10日間、全国各地から松江市教委に1,000件以上の抗議と閲覧制限の撤回をもとめる声が殺到し、 石川県からもNPO法人「はだしのゲン」をひろめる会、核戦争を防止する石川医師の会、非核の政府を求める石川の会等が閲覧制限の撤回をもとめる要請書を送付しました。
以下、8月26日付けのNHKニュースを紹介します。

 

漫画「はだしのゲン」の一部に過激な表現があるとして、松江市教育委員会が、小中学校の図書室で自由に読むことができない措置をとるよう学校側に要請していた問題で、松江市教育委員会は、26日開いた臨時会議で、「要請が事務局だけで決定されるなど手続きに不備がある」として、要請を撤回するのが妥当だとする結論をまとめました。

この問題は、中沢啓治さんの漫画、「はだしのゲン」について、松江市教育委員会の前の教育長が、「一部に過激な描写がある」として、去年12月に開かれた小・中学校の校長会で、子どもが図書室などで、自由に読むことができない「閉架」の措置をとるよう要請していたものです。
この要請は、市教育委員会の事務局だけで決定されていたことなどから、大学の名誉教授など5人で構成する教育委員会は、26日、臨時の会議を開き、対応を協議しました。
この中では、要請が事務局だけで決定され、教育委員に報告されていなかったことは、「慎重さに欠けていた」と委員全員から指摘されました。
また、「閲覧の制限を行うかどうかは、それぞれの学校が決めるべきだ」という意見が出されました。
そのうえで、会議では「要請が事務局だけで決定されるなど手続きに不備がある」として、要請を撤回するのが妥当だとする結論をまとめました。
また、今後の取り扱いについては「各学校の自主性を尊重する」としています。
教育委員会会議のあと、記者会見した松江市の清水伸夫教育長は、「今回の件で、混乱を生じさせたことを改めておわびします」と述べました。
そのうえで清水教育長は、「学校の自主性を尊重するという結論に至ったので、今後は、児童や保護者にどう説明するかを、学校としっかりと協議していきたい」と述べました。
また、松江市教育委員会の内藤富夫委員長は、「手続きには不備があったが、当時の担当者が十分に考えて行った措置であったので、間違っていないと思う」と述べたうえで、「今後、学校の対応について、しっかりと見守っていきたい」と話していました。
漫画「はだしのゲン」の作者、中沢啓治さんの妻のミサヨさん(70)は、「松江市教育委員会の要請が撤回されて、本当によかったです。夫は『ゲン』を通して、戦争や原爆のことを知ってほしいと、子どもたちにも分かるように、絵やストーリーを考えて作品を描きました。これからも、子どもたちに自由に手にとって読んでもらいたい」と話していました。

 

はだしのゲン・紙芝居

出版物の紹介


はだしのゲン
『わたしの遺言』
 中沢啓治 著

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