ノーベル平和センターに 『Barefoot Gen』 を寄贈
NPO法人はだしのゲンをひろめる会が今年5月25日の総会で『Barefoot Gen』をノーベル平和センターに贈ろう、と決めたことがこの度、実現できました。総会翌日、英語版翻訳者の西多喜代子理事がノーベル平和センターにメールを送り、何度か交信した結果、ゲン寄贈を受け入れていただいたものです。
- 5月25日、はだしのゲンをひろめる会2025年度総会 ・ 理事長挨拶
理事長 白﨑良明
被団協が2024年ノーベル平和賞を受賞したことにつき、新聞通信調査会が実施した対日メディア世論調査(アメリカ、イギリス、フランス、ロシア、インド、韓国、タイ各国の1000人対象)では、「被団協が平和賞を受賞したことを知らない」が70~80%、アメリカでは90%近くもある。「今後、10年間で核兵器が使用されるか否か」では、インドは25%位だったが、外の核保有国では50%近く、ロシアでは70%近くの人が使用されると回答している。一方、「核兵器は廃絶すべきか否か」では、ロシアは「保有はやむ得ない」が70%あり、「廃絶すべき」が25%だった。その他の国では「廃絶すべき」が50%だった。
国際社会ではこのような傾向であり、被爆の実相を伝える役割の大事さを再認識した。今日の総会で、被団協の活動が特別展示されているノーベル平和センターに『Barefoot Gen』の寄贈を提案したい。
- 7月3日、ノーベル平和センターに寄贈した『Barefoot Gen』に添えたメッセージ
『Barefoot Gen』は広島の被爆者中沢啓治が自らの被爆体験をもとに書き上げた漫画である。被爆の実相を明らかにし、苦境の中、ユーモアと正義感にあふれ、生き抜く若者の姿を描き、若者に共感をもって読まれている。
“Barefoot Gen” is a graphic novel written by Keiji Nakazawa, an atomic bomb survivor from Hiroshima, based on his own experience of the bombing. The manga reveals the reality of the atomic bombing in its portrayal of Gen, a boy who endures tragedy and hardship with humor and a sense of justice. It has touched the hearts of many young readers.
被爆者の証言活動が困難になってくる今、『Barefoot Gen』が世界中の若者に読まれ、核兵器のない安心、安全な世界を引き継ぐことを強く望みたい。
At a time when it is becoming increasingly difficult for A-bomb survivors to share their testimonies, we strongly hope that “Barefoot Gen” will be read by more young people around the world and help them inherit a safe and secure world free of nuclear weapons.
◎白﨑良明理事長のコメント
博物館は来年度に新たに常設館を向けるようです。今回の展示が終わっても引き続き何らかの形で展示されることを望みたいですね。これを契機に中沢啓治さんのメッセージに応えて、ゲンがさらに広く、世界に闊歩することを期待したいと思います。
◎浅妻南海江理事のコメント
ひろめる会総会でノーベル平和委員会にゲンの寄贈の提案がされたことで、大きな夢が実現しますね。簡潔で的確なメッセージを書いていただき有難うございます。ひろめる会総会での白崎先生のご提案が実を結び、ゲンが平和の本拠地で活躍できることを想像して嬉しい限りです。