平和のパネル展2022 /オープニング企画「広島 愛の川」紹介

 今年の「平和のパネル展2022」の初日、8月2日のオープニング企画、中沢啓治さんが作詞した「広島 愛の川」の紹介文を本会HPに掲載します。

「広島 愛の川」紹介

 平和のパネル展主催団体の一つ 「はだしのゲンをひろめる会」です。この会は2012年12月にここ金沢で発足しました。「はだしのゲン」の翻訳、本や紙芝居の普及、寄贈活動を続けてきた団体などが、平和な社会を実現するために連携してゲンを世界に羽ばたかそうと「はだしのゲンをひろめる会」を結成し取り組んでいます。

   「はだしのゲン」は作者の中沢啓次さんが「90%体験です」とおっしゃっていましたが、過酷な状況を描きながらも、ゲンのたくましさ、生き抜こうとする力、命の平等に真剣に立ち向かう姿は、時代や国を超えて勇気を与えてくれます。中沢さんは2012年の12月になくなられましたが、2013年、「はだしのゲン」連載開始40周年の会で中沢さんの遺した一編の詩を妻のミサヨさんが朗読されました。それが「広島 愛の川」です。次の世代には人間の醜い部分ではなく良い部分を残してあげたいという中沢さんの思いは、怒りや悲しみから“優しさと”という歌詞になり、平和な世界への希望を川に託しています。

 この詩はメディアにも取り上げられ、ミュージシャンを動かしました。山本加津彦さんが作曲、中沢さんが好きだった加藤登紀子さんのうたで2014年リリースされました。同時に「広島 愛の川プロジェクト」が誕生し、2015年からは毎年8月6日広島の原爆ドーム近くの川に面して沢山の子どもたち、親子、若者が世界へ届けとこの歌を合唱で歌っています。それに呼応して全国、世界から歌っている動画も届きます。核兵器禁止条約が発効した喜びも束の間、戦争が起き、多くの人が犠牲になっています。核の使用、核による抑止力が語られる今こそ、ゲンとこの歌が世界に広がってほしいと願います。

 本日は広島での大合唱を撮影した動画を上映いたします。この歌に託した中沢さんとゲンの願いをどうぞ受け取ってください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

広島 愛の川         

   作詞・中沢啓次      作曲・山本加津彦 唄・加藤登紀子

 愛を浮かべて川流れ
 水の都の広島で
 語ろうよ 川に向って
 怒り、悲しみ、優しさを
 ああ、川は 広島の川は
 世界の海へ 流れ行く
 
 愛を育てた 太田川
 手取り駆けった川堤
 伝えよう 川に向って
 怒り、悲しみ、優しさを
 ああ、川は 広島の川は
 世界の海へ 流れ着く
 
 愛するわが子に 頬ずりし
 姿 川面に 写す日々
 誓おうよ 川に向かって
 怒り 悲しみ 優しさを
 ああ、川は 広島の川は
 世界の海へ 巡りゆく
 

 

 

 

はだしのゲン・紙芝居

出版物の紹介


はだしのゲン
『わたしの遺言』
 中沢啓治 著

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