原水爆禁止世界大会・国際会議にてー英語版を7セット寄贈

原水爆禁止2015年世界大会・国際会議に参加して

    

                       はだしのゲンをひろめる会理事 白﨑良明

 原水爆禁止世界大会・国際会議には核兵器廃絶を求める世界からの活動家が集まるだろうから、その人たちに是非、「はだしのゲンをひろめる会」(以下ひろめる会)の活動を知っていただき、外国への寄贈先の紹介をしてもらおうという目的で「ひろめる会」を代表して参加した。8月2日午後から、国際会議開会総会・全体会議が行われたが、都合で8月3日、午前の全体会議からの参加となった。広島・長崎の原水爆禁止世界大会へ参加したことはあるが、国際会議は初めてである。事前に発言したいと申し出ていたが、返答もなく、全く、勝手がわからないままに不安を持っての参加だった。

 今回の世界大会には海外から20ヶ国147名(65団体、7国際/地域団体のNGO代表・個人および政府・国際機関代表8名)が参加しているが、国際会議には100名程度の参加であった。8月3日午前の全体会議は「核兵器のない世界へ:核抑止論の克服、紛争の平和的解決、安全な暮らしと環境」をテーマに行われた。休憩時間に議長団から日本人の発言が少ないと言われたので、テーマの趣旨とそぐわないとは思いながら、とりあえず、発言通告用紙を出したところ、全体会の最後に発言の機会が与えられた。

 「ひろめる会」を代表してその活動の紹介と、海外への寄贈運動に参加者の協力をまず、依頼した。核兵器廃絶運動の基本は核被害の実相を理解すること、被爆者の心情に共感することにあること、若い世代に運動を引き継ぐことの重要性を強調した。被爆者の証言活動は世界の核廃絶運動の中で大きな役割を果たしてきたが、被爆者の高齢化により、証言活動が難しくなってくる中で、我々は漫画「はだしのゲン」に注目している。著者の中沢啓治は、「はだしのゲン」をとうして、世界中の若者がゲンの被爆体験を理解し、たくましく生き抜き、核兵器にノ-といえるように期待していると紹介。

 核戦争を防止する石川医師の会が行っている、県下の小中学校への「はだしのゲン」の寄贈運動、さらに、「はだしのゲン」を英語版、ロシア語版に翻訳した「プロジェクト・ゲン」などと共同でNPO法人「はだしのゲンをひろめる会」を設立し、今までに国連図書館はじめ、世界の38施設・団体に寄贈してきたことを紹介した。最後に再び、寄贈先の希望と、紹介を寄せていただくよう述べて発言を終えた。

 午後の分科会1.は事前の案内には「広島・長崎被爆の実相普及、被爆者のたたかいの継承」となっており、ここで発言準備をしていた。しかし、当日は「広島・長崎の原爆被害とヒバクシャのたたかい」に変更され、躊躇もしたが、同様の発言を行った。分科会に参加していた原水協代表委員の斉藤紀さんは、「はだしのゲン」の役割の重要性について追加発言をされ、即、ひろめる会の会員になられた。休憩時間、分科会終了後、翌日の全体会議前にも個別の申し入れと面談をうけ、オーストラリア、フィリピン、ネパールからの参加者に7セットを寄贈することになった。

<寄贈先>

(1)Ms. Kisten McCandless

   Committee Member, Campaign for International Co-operation and Disarmament

  (国際協力軍縮キャンペーン)

 CICDを代表して。「オーストラリア国民の80%超が核兵器禁止を支持。オーストラリア政府は「安全保障」のためにアメリカの核兵器と核抑止力政策に盲従している。100人以上の国会議員が核兵器廃絶キャンペーン(ICAN)のすすめる核兵器禁止条約を求めるアピールにサイン。核兵器使用に対するもっとも道義的抑止力になるのは被爆者の証言。被爆者に連帯し、訴えを支持し、人類の本当の幸福・大切な地球の繁栄のために国際協力と軍縮を!」と発言。

 メルボルンの小学校の平和教育(禎子の話、おりづるなどもおっている)に利用したい。中学校、図書館などにも寄贈したいと言われる。(2セット希望)

(2)Ms. Irene De Vera

   Peace Women Partners, Incorporated International

   Pangasinan State University, Head of International Relations

   (パンガシナン州立大学 国際関係学部長 フィリピン)

 分科会の議長をしていて、私の発言を聞いたのか、大学の図書館に置きたいと4日に寄贈申し込みがされた。

(3)Ms. Abby Salacata

   Stop the War Coalition, Philippines

 同じフィリピンからの参加者で、核戦争反対、戦争反対の教材として、学校・州・地域で活用したい。

(4)Mr. Bimal Khadka

   Central committee member, Afro-Asian People’s Solidarity organization

   (ネパールアジアアフリカ人民連帯機構-AAPSO-中央委員)

(トリブバン大学付属Kanti & kunja国際大学教授 学長代理)

 AAPSOを代表して「70年前、この広島に起こった非人道的な残忍性は言葉に尽くせない。今、眠れない夜を過ごしているが、人類は何よりも平和と繁栄が必要。永続的平和を望むにはすべての国が核兵器廃絶法を確立すべき。APPSOは毎年、8月6日~9日に原水爆禁止会議をカトマンズで開催している。と発言。

 同じ、APPOS中央委員の

(5)Mr. Ramesh Kumar Acharya

(6)Ms. Unnati K C

 学校に寄贈するということであったが、具体的ではなかった。関連の大学に寄贈する予定なのか?「1国に3セットまで」の記載を読んで、申し込んだ感じ。

 

はだしのゲン・紙芝居

出版物の紹介


はだしのゲン
『わたしの遺言』
 中沢啓治 著

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