木下事務所「はだしのゲン」が金沢市民劇場賞を受賞

金沢市民劇場では,1985年から会員のアンケートと話し合いによって,その年でいちばん良かった作品を決めています。2013年度金沢市民劇場賞は6例会のなかで、昨年9月23日金沢歌劇座、24日野々市フォルテで上演された木下事務所公演「ミュージカル・はだしのゲン」が受賞しました。

原作:中沢啓治  脚色・演出:木島 恭  出演:小野文子、林 次樹、前田昌明 ほか

本年2月23日に開かれた2013年度金沢市民劇場賞選考委員会の選考結果と経過報告より、「はだしのゲン」公演の感想と評価を紹介します。

◎現代にこの作品を上演する意義は大きく、木下事務所の姿勢を評価する声が多かった。原作漫画の閲覧制限問題が世間を騒がせた折もあり、どのように舞台化されるのか注目されたが、シンプルな装置を逆手にとって観客のイマジネーションを大いに刺激し、役者の熱演とも相まって大きな感動を与えてくれた。また、原爆の悲惨な物語だけで終わることなく、主人公の生き方から再生と希望を見出したという感想や、初演から観ている選考委員からは芝居が成長して見違えるほどよくなっているといった話も出された。

◎「はだしのゲン」は演劇鑑賞会と劇団が共同で創り上げたと云っても過言ではない作品で、末永く残していきたい。エネルギッシュな子どもたちがミュージカルに合い、有名俳優はいないもののアンサンブルが素晴らしく心地よい感動を覚えた。反戦に留まらず生きていくことに主眼をおいた作劇は普遍性があり、年齢を問わず多くの人に観てもらいたい。原発問題に揺れるこんな時代だからこそ痛切に感じる。

 

はだしのゲン・紙芝居

出版物の紹介


はだしのゲン
『わたしの遺言』
 中沢啓治 著

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