5月27日、〝性教協〟石川セミナー/河野美代子さん講演会へのお誘い

2018年度性教協石川セミナー・記念講演へのお誘い

講師の河野美代子さんの御紹介にかえて

                                  “人間と性”教育研究協議会石川支部

事務局長 末友雅子

  講師の河野美代子さん

 

   広島サークルの産婦人科医、河野美代子さんは、性教育ではとても有名な方です。「さらば悲しみの性」という著書で知っているという方も多いかも知れません。“人間と性”教育研究協議会(以下、性教協)石川支部のセミナーでも二度産婦人科の窓口から見える若者の性について話していただきました。

 ですが、今回のお話は少し違います。2016年7月の性教協全国セミナー山形大会の分科会で河野美代子さんの活動の原点に出合いました。そこでのお話から御紹介させていただきます。彼女のお父さんは「この子たち」の先生(広島二中)だったのでした。金沢で15回上演され、私も関わった朗読劇「この子たちの夏」(原作「いしぶみ」)爆心地付近へ建物疎開の作業に出ていた広島二中の一年生全滅の記録、最期の様子を母が語る…何の脚色も舞台道具もなく、ただ淡々と読む。その中に母子の思い、戦争中の状況、押さえられてきた感情が静かに深く伝わってくる舞台でした。河野さんのお父さんはその日その時間たまたま学校の用事で自転車で出かけ、爆心地から少し離れたところにいて助かりました。でも、教え子たちを助けられなかったことは、生涯続く辛い思いでした。

   河野さんのお話の最初のスライドは、生き残った子どもたちが青空教室で勉強している写真。「これが教育の原点」と言われましたが、原爆投下後の高放射能のがれきの中…知らないでさらされ続けたのだと思うと切なくなります。それでも生き抜いてきた被爆者、被爆二世の方々、一つ病気にかかれば「原爆のせいではないのか」と思い、周囲からは「ピカはうつる」「ピカにあった者は子どもに影響する」また、孤児として生きるなど、人生のあらゆる場面で差別と苦痛を感じて生きてこられたサバイバーです。河野さんは、被爆二世としてかつて核実験反対の座り込みをしていた仲間達と共に9年前から「8.6広島平和の夕べ」という取り組みをされています。漫画『はだしのゲン』の中沢啓治さん、ミサヨご夫妻とも深いつながりがあり、中沢さんの最期をご家族とともに送られたことも今回初めて知りました。

   被爆二世を意識して活動されていたところでの3.11震災、そして福島の原発事故。 福島の女性と子どもたちへ一時保養の呼びかけをし、その取り組みの中で福島の女性たちと河野さんが話し合います。河野さんが若い頃悩んだことが、今、福島の女性の不安になっています。「子どもを産めるのか」河野さんは自らの人生で「被爆者である親の話を聞こう」「私たちは子どもを産もう、(たとえ障害があっても)子どもとともに頑張ろう」と決断したことを語ります。夫の両親の反対を乗り越えたことを「やっぱり向こうが惚れとったんじゃろうよ」という河野さんは可愛くもたくましく、「自分の体を知り、自分の意志で産む産まないを決め、楽しく生き生きと生活しよう。私の本音は頑張って産んで子どもと一緒に闘って欲しい」河野さんのメッセージです。

   日々の産婦人科クリニックでの診療から見えてくる現代の若者、大人の姿。自らの体験、多くの人々との繋がりの中からどうしても伝えたいこと、セミナーの講演では、時間の都合上どこまでお聞きできるか分かりませんが、「平和」「原爆と原発」「生と性」それらが一本につながるお話がお聞きできると思います。どうぞ、お誘い合わせのうえ多数ご参加ください。

 名 称  “人間と性”教育研究協議会石川支部 第26回石川セミナー 記念講演

 演 題  次の世代を育てる大人としてどう生きるか~広島から福島まで~

 講 師  河野美代子さん(産婦人科医、「広島エイズ・ダイヤル代表」)

    日 時  2018年5月27日(日)13:30~15:45

 会 場  石川県社会福祉会館4階大ホール(金沢市本多町)

 参加費  一般1,500円、性教協石川会員1,000円、学生など700円

 主 催  “人間と性”教育研究協議会石川支部

 

はだしのゲン・紙芝居

出版物の紹介


はだしのゲン
『わたしの遺言』
 中沢啓治 著

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