中沢啓治作『おれは見た』を読んで
私の感動を若者たちに知ってもらいたい
私は若い頃、中沢啓治さんの『おれは見た』を読みました。それは美しくて悲しくて、私は若くして、原爆が広島の人たちを破壊したことを完全に理解しました。やがて私はネット上で大好きな漫画を探していて、さらに詳しく物語をふくらませた劇画の全巻(『Barefoot Gen』全10巻)を見つけられてうれしかったです。
初めて『おれは見た』を読んだ11歳の時、戦争、原爆、アメリカと日本の文化の違いについて、学校で習ったより遙かに多くのことを学びました。私たちは学校では、原爆が身体と環境に及ぼす影響を一度も習いませんでした。
原爆の身体と環境に及ぼす影響がいかにひどかったかを知った後、世界のだれでもが原爆は選択の自由のある武器であるとか、まあいいかと考えているのは、私には信じられません。
ゲンの本がなかったら
一連のゲンの物語を読んで、核はエネルギーとして安全ではないし、使うべき武器でもないということを確信しました。原爆が落とされたとき人々が経験したのはとてもひどいことでした。それがどんなだったか想像するのは本当に難しいです。そして、ゲンの本がなかったら、特に若者たちやアメリカ人が想像するのはほとんど不可能でしょう。事実から隔離され、嘘を吹き込まれていたのですから。私たちはこのような不当行為を二度とさせたくないので、若者がこのことを学ぶのは重要です。
私は作者とこれを英語に翻訳するのに助けになった人々に対する感謝と愛着とを十分言い表すことができません。これは、戦争と原爆の威力と人間の精神の回復力と人間が引き起こす力と希望について、私に違う見方をさせてくれました。どうもありがとうございます。
◎本稿はアメリカ・ワシントン州の女性から『はだしのゲン』(英語版)を翻訳・出版したプロジェクト・ゲン宛に届いた手紙です。