日本被団協の「はだしのゲン」自由閲覧を求める要望書

日本原水爆被害者団体協議会(略称:日本被団協)は1月8日に東京都教育委員会に対し、標記の要望書を提出しました。これは1月9日に東京都教育委員会において教育現場から『はだしのゲン』の追放を求める請願が審議されるためです。石川県原爆被災者友の会から情報提供がありましたので、日本被団協の「はだしのゲン」自由閲覧を求める要望書を紹介します。

声 明

すべての教育現場、図書館において、『はだしのゲン』の自由閲覧を求める

2014年1月8日 日本原水爆被害者団体協議会

私たち広島・長崎の被爆者でつくる唯一の全国組織である日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)は、『はだしのゲン』を教育現場から撤去する要請行動が下村文部科学大臣はじめ、関東の一部の議会や教育委員会に対して組織的に行われている事実を知り、大変驚いています。関係者の皆さんが、不当な圧力に屈せず、すべての教育現場で『はだしのゲン』の撤去、閲覧制限をすることなく、従来通り自由に閲覧できるようご尽力くださることを希望します。

日本被団協は、1956年の結成以来今日まで、原爆が人間に何をもたらしたか、原爆の残酷さ、あの日の地獄、今日までつづく苦悩を語りつづけてきました。私たちと同じ体験を誰にも味あわせないためです。核兵器の使用は人類の滅亡をもたらすからです。すべての人が、原爆について学び、考え、核戦争を起こさず、核兵器を無くすことに努めて欲しいからです。

中沢啓治さんの『はだしのゲン』は原爆の実相を伝える作品です。国内だけでなく、外国でも20ヵ国語で翻訳出版され、原爆を知る本、必読の本として高く評価されています。日本被団協は2010年のNPT再検討会議に際し、国連図書館に寄贈し感謝されました。日本政府も2007年、NPT再検討会議第一準備委員会で、英語版30冊を配布しました。当時漫画外交として話題になりました。『はだしのゲン』を閲覧制限しなければならない理由はありません。

『はだしのゲン』を教育現場から締め出すことは、子どもの持つ「あらゆる種類の情報及び考えを求め、受け及び伝える自由」(児童の権利に関する条約第18条)の権利、憲法が保障する「表現の自由」の権利に対する重大な侵害です。「教育的配慮」の名目で、子どもの権利と憲法の権利を侵してはなりません。この点からも教育現場からの『はだしのゲン』の撤去、閲覧制限は認められません。

すべての教育現場、図書館において、自由に『はだしのゲン』が閲覧できるよう、教育関係者がご尽力されることを求めます。

 日本原水爆被害者団体協議会

 東京都港区芝大門1-3-5 ゲイブルビル9F

 電話03-3438-1897 FAX 03-3431-2113

 

はだしのゲン・紙芝居

出版物の紹介


はだしのゲン
『わたしの遺言』
 中沢啓治 著

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