核戦争を防止する石川医師の会は8月21日に開いた世話人会にて松江市教育委員会への抗議文「漫画『はだしのゲン』閲覧制限の撤回を求めます」を作成し、同日送付しました。以下、紹介します。
2013年8月21日
松江市教育委員会 委員長 内藤富夫 殿
核戦争を防止する石川医師の会 代表世話人 白﨑良明
漫画『はだしのゲン』閲覧制限の撤回を求めます
私たちは、生命と健康を守る医師の責任として、核兵器のない世界を実現し、 未来の子どもたちに平和で豊かな地球を引き継ぐために、市民のみなさまと共に 活動している医師・歯科医師の団体です。
核兵器の持つ残虐性・非人道性。広島・長崎の被ばく体験をもつ日本人は、誰 よりもそれを知っているはずです。再び同じ過ちを繰り返さぬために、私たちに 一体何ができるのでしょう。それは決して過去を覆い隠すことではありません。 過去の現実をできるだけ正確に後世に伝える。それこそが私たちにできる唯一の 方法です。
核兵器のもたらす悲劇を後世に伝える。伝えなければならない。この痛みを風 化させてはならない。被爆者が高齢化し、語り部が少なくなっている現在、漫画 『はだしのゲン』は、人類史上最大の悲劇を未来へ継承するための、得難い手段 なのです。それどころか、その作品は今や人類共通の財産として、世界中から高 く評価されています。
私たち医師の会は、2011年より、核戦争による被害や被ばくの実相を子ども達に 伝える参考図書として、『はだしのゲン』を石川県内の小中学校に寄贈する運動 に取り組んでいます(現在までに石川県内小中学校39校に寄贈。本年9月にはさら に20校に寄贈予定)。各市町の教育委員会を通じて実施した小中学校に対する寄 贈希望調査では、所蔵していない学校はもちろんのこと、所蔵している学校から も寄贈希望が多く寄せられました。これは、子ども達に好んで読まれるために破 損や欠巻が多いからです。このように『はだしのゲン』は、学校図書室を通じて、 子どもから子どもへと世代を超えて読み継がれてきました。
もし、「ゲン」という存在が無ければ、私たちは何をもって戦争・核兵器の悲惨 さを子ども達に伝えればよいのでしょう。暴力、差別、いじめ。そうした現実を 子ども達に何とか伝えたい。それ故、原作者の中沢啓治さんは敢えて漫画として、 「ゲン」を世に送ったのです。 彼らから、学ぶ機会を奪わないでください。『はだしのゲン』を読むか、読まな いか。そこから、何を学ぶか。あるいは学ばないか。それらはすべて子ども達自 身にこそ委ねられるべきものです。 私たちは『はだしのゲン』閲覧制限の撤回を強く求めます。
<事務所>
核戦争を防止する石川医師の会 http://ippnw-ishikawa.jp/
〒920-0902石川県金沢市尾張町2-8-23 太陽生命金沢ビル8階 (石川県保険医協会内)
TEL 076-222-5373 FAX 076-231-5156


