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2018年度性教協石川セミナー・記念講演へのお誘い

講師の河野美代子さんの御紹介にかえて

                                  “人間と性”教育研究協議会石川支部

事務局長 末友雅子

  講師の河野美代子さん

 

   広島サークルの産婦人科医、河野美代子さんは、性教育ではとても有名な方です。「さらば悲しみの性」という著書で知っているという方も多いかも知れません。“人間と性”教育研究協議会(以下、性教協)石川支部のセミナーでも二度産婦人科の窓口から見える若者の性について話していただきました。

 ですが、今回のお話は少し違います。2016年7月の性教協全国セミナー山形大会の分科会で河野美代子さんの活動の原点に出合いました。そこでのお話から御紹介させていただきます。彼女のお父さんは「この子たち」の先生(広島二中)だったのでした。金沢で15回上演され、私も関わった朗読劇「この子たちの夏」(原作「いしぶみ」)爆心地付近へ建物疎開の作業に出ていた広島二中の一年生全滅の記録、最期の様子を母が語る…何の脚色も舞台道具もなく、ただ淡々と読む。その中に母子の思い、戦争中の状況、押さえられてきた感情が静かに深く伝わってくる舞台でした。河野さんのお父さんはその日その時間たまたま学校の用事で自転車で出かけ、爆心地から少し離れたところにいて助かりました。でも、教え子たちを助けられなかったことは、生涯続く辛い思いでした。

   河野さんのお話の最初のスライドは、生き残った子どもたちが青空教室で勉強している写真。「これが教育の原点」と言われましたが、原爆投下後の高放射能のがれきの中…知らないでさらされ続けたのだと思うと切なくなります。それでも生き抜いてきた被爆者、被爆二世の方々、一つ病気にかかれば「原爆のせいではないのか」と思い、周囲からは「ピカはうつる」「ピカにあった者は子どもに影響する」また、孤児として生きるなど、人生のあらゆる場面で差別と苦痛を感じて生きてこられたサバイバーです。河野さんは、被爆二世としてかつて核実験反対の座り込みをしていた仲間達と共に9年前から「8.6広島平和の夕べ」という取り組みをされています。漫画『はだしのゲン』の中沢啓治さん、ミサヨご夫妻とも深いつながりがあり、中沢さんの最期をご家族とともに送られたことも今回初めて知りました。

   被爆二世を意識して活動されていたところでの3.11震災、そして福島の原発事故。 福島の女性と子どもたちへ一時保養の呼びかけをし、その取り組みの中で福島の女性たちと河野さんが話し合います。河野さんが若い頃悩んだことが、今、福島の女性の不安になっています。「子どもを産めるのか」河野さんは自らの人生で「被爆者である親の話を聞こう」「私たちは子どもを産もう、(たとえ障害があっても)子どもとともに頑張ろう」と決断したことを語ります。夫の両親の反対を乗り越えたことを「やっぱり向こうが惚れとったんじゃろうよ」という河野さんは可愛くもたくましく、「自分の体を知り、自分の意志で産む産まないを決め、楽しく生き生きと生活しよう。私の本音は頑張って産んで子どもと一緒に闘って欲しい」河野さんのメッセージです。

   日々の産婦人科クリニックでの診療から見えてくる現代の若者、大人の姿。自らの体験、多くの人々との繋がりの中からどうしても伝えたいこと、セミナーの講演では、時間の都合上どこまでお聞きできるか分かりませんが、「平和」「原爆と原発」「生と性」それらが一本につながるお話がお聞きできると思います。どうぞ、お誘い合わせのうえ多数ご参加ください。

 名 称  “人間と性”教育研究協議会石川支部 第26回石川セミナー 記念講演

 演 題  次の世代を育てる大人としてどう生きるか~広島から福島まで~

 講 師  河野美代子さん(産婦人科医、「広島エイズ・ダイヤル代表」)

    日 時  2018年5月27日(日)13:30~15:45

 会 場  石川県社会福祉会館4階大ホール(金沢市本多町)

 参加費  一般1,500円、性教協石川会員1,000円、学生など700円

 主 催  “人間と性”教育研究協議会石川支部

 2017年7月に本会から中国大陸の大学関係者20人に「はだしのゲン」英語版14セット、日本語版22セットを寄贈しました。このほど大連外国語大学日本語科の学生から「はだしのゲン」読後感想文(2通)が中国語版翻訳者の坂東弘美さん方に届きました。同大学の担当教員及び当該学生の了解を得ましたので本会ホームページに紹介します。

 

 『はだしのゲン(日本語版)』を読んで            

 2017.12.大連外国語大学日本語学部学生より

◎私はこの本を二回読みました。とても長いので一気に読むことはできず何回かに分けて読みました。この本は本当にとても素晴らしいです。

 迫真に描き出された物語には、とても引き込まれ、またその絵柄は素朴で親しみやすいです。読みながら、ある種の不思議な衝動が私の中に沸き起こりました。

 小さい頃、祖父の家に暮らしていた私が見るものはすべて、(今日では)「抗日神劇」(と揶揄される荒唐無稽な)TVドラマでした。日本鬼子がどんなに(残虐に)村を焼き、人を殺し、抗日戦士に酷い仕打ちをしたかとということばかりを毎日毎日、目にしていたのです。

 小学校から大学まで教科書には日本の悪い論評しか書かれていませんでした。日本の庶民の立場からの記述というのは故意に無視されていたのです。

 戦争が嫌いなのは世界中の誰もが同じはずです。但し、幼少時から大人になるまで、私の世界観の中で、日本国民もまたそうであるということは考えたこともなかったのです。

 この漫画は私に新しい物の見方を提供してくれました。私の世界観を刷新し、より客観的な目で戦争と向き合わせてくれるものです。

 私自身は戦争を題材にした本が嫌いではありません。なぜなら、読み終わった後で、多くは心が奮え、熟考させられ、深い思いに引き込まれるからです。

 一旦戦争が起きれば、この本に書いてあることは遠い昔のフィクションではなく、一瞬で現実になり、それをこの本は警告しているのです。

 かつて体験したことが無いため、戦争のもたらす報いに対して私たちは感覚が麻痺している所があります。

 ですから、日本人の危機意識に学び、戦争への警戒を常に怠らないようにすべきです。戦争をより正しく理解してこそ、より強く反戦の立場に立てるのです。この漫画の著者には、大きな大きな賛辞を送りたいです。

 

◎これは私が初めて読んだ、そして、私にとって特別な意義を持つ本となりました。以前はただ日本の原子爆弾の事件は、歴史の教材の中の一部分にすぎず、単なる文字であり、さしたる感情はありませんでした。

 私は漫画の魅力は、ひとコマひとコマの描写を通して、小さな紙の中により生き生きとした形象を表現できることだと思います。

 原爆投下はとても悲痛ではありますが、目を背けてはならない題材です。時間の問題があって、私はただ漫画の前半部分だけ見たのですが、主役のお父さんは平和を求めて戦争に反対し、投獄されました。そのため彼の子供達も学校で虐められ先生からも侮辱を受けました。隣近所の人々にも散々なことを言われました。

 しかしこのような環境下で、子供達は毅然としてお父さんの理念を貫きます。――戦争に反対し、平和を訴えたのです。

 私はこれも作者が読者に一途に伝えたいことだと思いました。またまわりから孤立して、米さえ手に入れられない状況の中で、まるで砂漠の中で一滴の水を送るように、朝鮮人は彼らに米を分け与えました。

 苦難に満ちた暮らしの中で、変わらず支えてくれ、信じてくれる人がいるということを。まさにこのことだけでも生きていく力がわいてくるものです。そう思いませんか?

 この世界には友好が足りないのかもしれません。しかし、少なくとも私たちの心の中には優しさがあります。そして、正しい事を成すのであれば、何を恐れることがあるでしょう。

 それになにより、私は一人ぼっちではなく、この道には平和を支えようとし、正義を信じる多くの人々がおり、彼らと共に歩むことができるのですから。

 

「はだしのゲン」寄贈・3校目が実現
奈良大学附属高校へ
奈良県保険医協会


 奈良県保険医協会は、患者住民の生命と健康を守る医療人として平和を守るための活動の一環で「はだしのゲン」 (中沢啓治著)の寄贈活動に取り組んでいます。今回が3校目の寄贈です。 
 8月31日、奈良大学附属高等学校(辻寛司校長)に「はだしのゲン」日本語版ならびに英語版(ともに全10巻)を贈りました。当日は宮際幹副理事長が同校を訪問し、辻寛司校長らが応対しました。
 寄贈にあたって宮際副理事長は、「核兵器禁止条約が122の国と地域で採択されたように、核兵器を無くそう、平和を守ろうという思いは世界共通だ。戦争の悲惨さをわかりやすく描いた『はだしのゲン』は当時を知るうえで貴重な教材だ。英語版も併せて読んでもらいたい」と話しました。
 辻校長からは、「折しも被爆者の谷口稜曄さんが亡くなられたとの報道に接したばかり。戦後72年を経て語り部さんも減ってきている中、『はだしのゲン』は若い世代に平和の尊さを伝える貴重な書物だ。当校の生徒はもちろん、オーストラリアの姉妹校から生徒たちが来校される機会もあるので英語版をぜひ紹介させていただきたい」と感謝の言葉がありました。(奈良保険医新聞2017年9月15日号)
 
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「はだしのゲン」寄贈・4校目
小学校への寄贈は初
奈良県保険医協会 
 
 
 奈良県保険医協会では平和を守るための活動の一環として「はだしのゲン」(中沢啓治著)の寄贈活動に取り組んでいます。
 10月12日、大和郡山市立片桐西小学校(杉村千佳子校長)に「はだしのゲン」日本語版ならびに英語版(ともに全10巻)を贈りました。小学校への寄贈は初の取り組みです
 寄贈にあたって西野恒理理事は、「戦争を語り継ぐ世代が少なくなってきている昨今、戦争の惨禍を当時の社会情勢も交え丁寧に描いた『はだしのゲン』は貴重な作品。小学校における英語教育が盛んになってきている中、日英版を併せて読めるのは教材としても有用では。ぜひ活用いただきたい」と語りました。
 杉村校長からは、「当校図書室にも『はだしのゲン』を所蔵しているが長年多くの児童に読まれ傷んでいる。図書費が厳しい現状において今回の寄贈は非常に有り難い。当校では修学旅行は広島と決めている他、校内行事にも平和学習を意識的に位置づけている。早速全校生徒、教職員に寄贈いただいたことを知らせたい」と喜びの言葉が寄せられました。
 今回の寄贈は西野理事の卒業校という縁をきっかけに実現しました。会員の卒業校、校医をしている小中学校に『はだしのゲン』を寄贈したいとお考えの会員がいらっしゃいましたら、当会事務局までご相談ください。(奈良保険医新聞2017年11月15日号)

 

ICANおめでとうアクションに参加した皆さん(12月10日、近江町市場前)

マイクで「ヒバクシャ国際署名」を呼びかける西本多美子さん(石川県原爆被災者友の会会長)

 

ICANノーベル平和賞受賞記念 

「おめでとうアクションin金沢」の報告

 2017年12月10日。ICANのノーベル平和賞授賞式の朝は、冬の金沢に は珍しく、青く澄み切った空が広がりました。あの時黒い涙を流し た空も、ICANの受賞を祝福してくれたのかもしれません。

 石川県原爆被災者友の会など、県内7団体で構成する「反核・平和お りづる市民のつどい実行委員会」は、この日午前10時半から近江町市場前で、ICANノーベル平和賞受賞記念「おめでとうアクション in金沢」を行いました。核廃絶運動が次世代に受け継がれているこ とを象徴するかのように、被爆者や二世、大人から子どもまで幅広 い世代約30人が集いました。

 「おめでとうマイクリレー」では、この企画の発起人である核戦争 を防止する石川医師の会代表世話人の白崎良明さんや石川県原爆被 災者友の会会長の西本多美子さんら7人が、ICANの紹介や被ばくの 実相、ヒバクシャ国際署名への協力を訴えました。そして、「ノーベル平和賞受賞者はICANだけではありません。被ば く者の皆さん、そして、こういった活動を進めてきた皆さんも受賞 者です。皆さん、おめでとう!」と伝えると、参加した子どもたち は「俺らも受賞者なん?!やったー!」と大喜び。私たちの喜びが 伝染したかのように、街ゆく人にも笑顔が溢れていました。

 この日のために準備した「おめでとうグッズ」(メッセージ付きポ ケットティッシュやICAN発行のブックレットなど)300個は子どもたちの活躍で瞬く間になくなり、集約したヒバクシャ国際署名は104筆、 募金6,500円。約一時間の行動は、名残惜しく終了しました。

 さあ、皆さん。ICANは既に、すべての国に核兵器禁止条約への署名・批准を促すための新しいキャンペーンを開始しています。私たちもICANのCampaigner(運動家)になり、核のない未来に向かって歩み をさらに進めましょう!DVD「この空を見上げて~石川・被爆者たちの証言~」とヒバクシャ国際署名を携えて。

  
 最後に、「おめでとうアクション」を前に行った記者会見(10月8日、 反核・平和おりづる市民のつどい実行委員会主催)で西本多美子さん が話された内容(要旨)を紹介して報告を終えます。

〇  ICANは世界中の草の根で活動する若い人たちの団体。ICANの受 賞は被爆者の運動が次世代に引き継がれたことを意味する。本当は授賞式のあるノルウェー・オスロに行きたかったが、体がついていかなかったのが残念でならない。

〇  高齢の被爆者に残された時間は少ない。将来をになう若い人たちとともに、核兵器を全てなくすために、被ばくの実相を伝え続けていきたい。

   はだしのゲンをひろめる会も参加している反核・平和おりづる市民のつどい実行委員会主催による「ICANノーベル平和賞受賞 おめでとうアクションin金沢」が計画されています。

  今年のノーベル平和賞は、核兵器の廃絶をめざして活動し、核兵器禁止条約の制定に貢献した国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)に授与されることが決まりました。

 12月10日にはノルウェー・オスロで授賞式が行われます。この授賞式の日、金沢では「ICANおめでとうアクション」を行います。
 おめでとうの思い、みんなに伝えたい核廃絶の思いをもって、近江町市場エムザ口にご参集ください。

 ロシア・モスクワのガレージ現代美術館で、『はだしのゲン』の原画が展示されています。
 現代美術家の村上隆さんの展示会の中で、村上さんの芸術に影響を与えた日本の作品のひとつとして『はだしのゲン』が紹介されています。
 モスクワで日本の芸術が紹介される機会は珍しいため、連日多くの方が訪れているそうです。
 展示会は2月まで開催される予定です。

 

 

◇講演要旨◇

ヒバクシャ国際署名キャンペーンイベントin金沢

核なき未来はぼくらがつくる!

ヒバクシャ国際署名キャンペーンリーダー         

林田  光弘

 

 10月15日(日)、金沢市松ヶ枝福祉館で「ヒバクシャ国際署名キャンペーンイベントin金沢」が開催されました。最初に今年六月に完成したDVD「この空を見上げて~石川・被爆者たちの証言」の第1部(38分)を上映した後に、長崎出身の被爆三世で国際署名キャンペーンリーダーである林田光弘さんの講演がありました。

   主催は反核・平和おりづる市民のつどい実行委員会。以下は林田さんのお話しの要旨です。

 

           

 二つの画期的な出来事

 この間に二つの画期的な出来事がありました。一つは7月7日に国連で「核兵器禁止条約」が採択されたこと。もう一つはICANがノーベル平和賞を受賞したことです。ICANとは、核兵器禁止条約をつくるために結ばれた世界中の500余の団体のネットワークのことです。ノーベル平和賞というのは政治的な賞で、かつてオバマ大統領が受賞したのも核兵器廃絶に向けての期待を込めてのものでした。この二つの出来事に共通しているのは被爆者の体験がエネルギーになって実現したということです。私は、これらのことを通じてキャンペーンメンバーに対して、次は被爆者に核廃絶を届けるのだという宿題をもらったと受け止めました。

 事態を正確に捉えるために詳しく見ていきます。

 被爆者の四つの概念

 被爆者というのは法的な概念です。特定地域の四つの分類(直爆、入市被爆、介護被爆、胎内被爆)の条件を満たす者となっています。被爆者の数は2017年3月現在で164,621人となっています。1980年がピークで372,264人でした。被爆者であるということで差別されることを恐れて名乗りをしていない人や被爆者手帳をとっていない人がかなりの数います。

 今日までが被爆体験

 被爆体験と言いますが、被爆者にとっては1945年8月6日と9日から今日までが被爆体験であるということです。健康上、精神上、社会的にも大変な体験が今も続いているということです。

 また健康手当など被爆者援護の施策は色々ありますが障害者などと同じ社会福祉の制度です。国家が行った戦争によって被害を被ったことへの「国家補償」ではないということです。それから在外被爆者、台湾や朝鮮半島(特に帰国運動当時はより豊かであった北朝鮮の地域に帰った人の方が多かった)など戦前は日本の植民地であった地域に住んでいるひとが除外されていた事実もあります。更にABCC(放射線影響研究所)の問題があります。被爆者はここに連れていかれてデータだけ取られました。治療をすればデータがとれないから肝心の治療はしてもらえなかったわけです。これらが被爆者体験という事実です。

 核兵器は大量破壊兵器

 核兵器について述べます。効果が一定の対象に限定できないという意味で大量破壊兵器とされています。大量破壊兵器で最大、最悪のものが核兵器ですが、現在の核兵器は広島・長崎で使用されたものの3,300倍の破壊力を持ち、9か国で14,900発保有しています。1970年に発効したNPT体制とは、当時の既保有国5か国を除いて他国の保有を許さないというものでした。5年ごとに再検討会議を開いて効果を検証して来ましたが、その後4か国が条約から離脱し、拡大されてしまいました。そこで2010年に赤十字国際委員会は核兵器の非人道性に着目して総裁声明を出しました。さっきの被爆者の四つの類型のうち「介護被爆者」の存在は、医療者にとっては被爆者の救護に当たって敵であるか味方であるか、勝者か敗者かは関係ありません。この核兵器の非人道性の考え方に基づいて再検討会議の間に国際会議が開かれ核兵器禁止条約に繋がりました。

 何をなすべきか?

 では、何をなすべきかです。日本政府は条約交渉会議に参加しませんでした。採択後も署名しないと表明しました。日本政府は国連総会に毎年「核全廃宣言」を出して多数の賛同を得てきましたが、核兵器禁止条約が採択された今年は世界から相手にされていません。私たちは「核の傘」に向き合うべきです。核保有国とその同盟国の中で、唯一の戦争被爆国である日本政府の動向は重要です。日本政府が橋渡しの役割を本当に果たせば、大きく変わる可能性があります。例えばオバマがやろうとした「核の先制使用はしないという宣言をする」こと、「全ての核実験を禁止すること」など現実的対応を引き出すことも可能です。ヒバクシャ国際署名を推進しましょう。

 署名は対話のためのツールです。日本の署名の到達は5,154,866筆まで来ました。ヒバクシャ国際署名に賛同して署名をした自治体の首長は867あります。全国の自治体数の過半数です。核保有国と我が国を含めた多くの同盟国の参加を求め、核抑止力による安全保障政策を変えさせる運動を一層強めなければなりません。核廃絶を「夢」にしないために。

◎講演会終了後、近江町市場前でヒバクシャ国際署名を呼びかける宣伝行動を20名の参加で行いました。短時間でしたが40筆を超える署名が集まりました。

 

日本ブースで、IPPNW共同代表のティルマン・ラフ氏を囲んで記念撮影

 

 2017年IPPNW世界大会に参加して

核戦争を防止する石川医師の会世話人  武藤一彦

 久しぶりの海外渡航に、不安と期待が入り交じった心は、年をとったから減じたかというとそうでもない。「核戦争を防止する石川医師の会」は、長い間会員として過ごしていたが、保険医協会の理事を仰せつかったのを機会に、お世話役も引き受け、2年に一度開かれる世界大会に参加を希望した。それもイギリス・ヨークである。

 世界が、いや地球がどうなるか分からない時期に、それも「核戦争を防止する」世界の医療関係者の集まりに参加する機会を与えて頂いた保団連(全国保険医団体連合会)の活動に感謝したい。「子どもは未来」を信条として診療を行っているつもりだが、子どもの健康を害するのは病気だけではなく親からの虐待や家庭の不和・貧困、戦争などいとまがない。しかし、なんと言っても戦争は最右翼であり、核戦争は世代にわたって人間を苦しめ、被爆者に「生き地獄」と言わしめるほど強烈である。

「はだしのゲン」英語版を薦める筆者

 「はだしのゲン」を読み、核爆弾の威力は破壊・放射能・遺伝子変化によるガン、家族離散と村八分、社会からの差別などあらゆる不幸が襲いかかることを知った。この漫画本が10冊あるのは、被爆してからの生活が如何に過酷であるかを描いているからである。

 3日間(9月4日~9月6日)にわたる会議で、まず核兵器が非人道的で、軽度であってもガンの不安を一生背負わせ、かつその子孫も影響を受けるということが語られた。さらに、世界で起きているテロや虐待について語られ、国による経済的格差の問題なども提示された。人間世界で起きている生き地獄は、やはり人間が作り出しているのだ。IPPNWは、核戦争だけを問題にしてはいない。それにいたる、道筋である健康に光を当て、誘因となる全ての問題点に立ち向かっていると感じた。

 人間の健康も、予防の面から見直されているが、平和な社会、幸せな社会も、人間の健康を努力して守る事から得られるのだ。「核兵器禁止条約」も、この条約のスローガン、「Health Through Peace 2017(平和を介して健康を)」をアッピールして勝ち取られ、採択されたと聞く。核保有国の多くは、採択に応じず、採択国に対して最終決定に従わないように画策しているという。核の傘に守られているという日本も採択を逃れた。唯一の被爆国日本が考えを変え、採択から賛成への票を投じてほしい。核の抑止力ほど当てにならないものは無いのである。

 3日目、日本医師会会長の横倉義武氏が、世界医師会長になると言うことで意見を言われた。核戦争が悲惨であり、この条約を多くの国々が採択し、賛成多数となることを願われたが、日本の態度については、言葉が無かったことが悲しい。

 IPPNWは、世界の子ども達が生まれてきて良かったと感じる環境こそ、この地球に遺すべき最大のプレゼントであることを改めて教えてくれた。37カ国500名の熱い思いに感謝しつつ古都ヨークを後にした。

<『はだしのゲン』英語版の寄贈報告>

 「反核医師の会」日本ブースでは、鶴の折り方の指導に人気が集まり、原爆症で亡くなられた「折り鶴の少女・佐々木禎子さん」の話をしながら国際署名を集めました。その横に『Bearfoot Gen(はだしのゲン)』の英語版を無料で贈るコーナーを設けました。原爆の非人道性をこれほど見事に描いた作品は無いでしょう。漫画という誰にでも理解しやすい方法で、被爆者のみならずその子孫にまで不幸をもたらす兵器の真実を伝える傑作と思います。7名分の枠に6名の希望がありました。Tilman Ruff氏も立ち寄られ、希望されました。お話しではコピー版で読まれたとのことでしたので、シリーズ①から⑩を贈りました。その他5名のうち3名は若い方でヨーク大学の学生でした。

 今回のIPPNW世界大会ではイギリス(4)、オーストラリア(1)、インド(1)からの参加者に6セット寄贈しました。

 

「はだしのゲン」「Barefoot Gen」を寄贈した中国大陸の大学を表示しました

 

 「はだしのゲン」中国語版翻訳グループからの働きかけにより、中国大陸の大学関係者20人から英語版14セット、日本語版22セットの寄贈希望があり、下記のように本会から寄贈しました。

月日 寄贈先 日本語版 (セット数) 英語版 (セット数) 中国語版(セット数)
7月27日 中国 厦门大学 外文学院 1 1  
8月5日 中国 南通职大 1 1  
8月5日 中国 杭州师范大日本語科 1 1  
8月5日 中国 南昌大学 1 1  
8月5日 中国 天津工业大学 外国语学院日语系 1 1  
8月5日 中国 蘇州科技大学 外国語学院日語系 1 1  
8月5日 中国 大连外国语大学 3 1  
8月5日 中国 牡丹江师范学院 图书馆 1 1  
8月5日 中国 浙江大学 宁波理工学院日语系 1 1  
8月5日 中国 広西大学 外国語学院      
8月5日 中国 江苏师范大学 1 1  
8月11日 中国 建陵高级中学 1 1  
8月11日 中国 广东外语外贸大学东方语言文化学院 1 1  
8月11日 中国 泉州师范学院 外国语学院 1    
8月11日 中国 人民大学外国語学院 日本語学部  1 1  
8月11日 中国 人民大学 図書館  1 1  
8月25日 中国 北京外国語大学 日本学研究センター 1    
8月25日 中国 河北工業大学 1    
8月31日 中国 社会科学院日本研究所図書室     1
8月31日 中国 青島農業大学外国語学部 1    
9月1日 中国 吉林华桥外国语学院 东方语学院 1    
9月1日 中国 西安交通大学大学城市学院外语系 1    

 

 各大学から順次、受取証書や感謝状が返送されています。中国人民大学外国語学院から届いた感謝状を紹介します。

感 謝 状

 

尊敬する浅妻南海江理事長 様

尊敬するはだしのゲンをひろめる会御中

 

 拝啓  この度は、「はだしのゲンを広める会」より、汐文社刊全10巻漫画『はだしのゲン』の日本語版と英語版をお贈り頂きまして、中国人民大学外国語学院日本語学部・中国人民大学図書館を代表いたしまして、心より感謝の意を申し上げます。

 『はだしのゲン』中国語版翻訳者の坂東弘美さまのおっしゃったとおり、私たちは地球人として、核戦争を二度としてはいけない。平和の時代を生きている私たちであるこそ、戦争の悲惨さを忘れずに、世界の平和を祈るべきだと思います。

 『はだしのゲン』は優れたマンガ作品です。私たち教育の現場にいる者にとっては、それは平和教育はもちろん、日本語教育にも、そして何よりも日本のサブカルチャー研究、特に中国で行われ始めている日本マンガ研究にも大きな役割を果たせるべきだと思います。『はだしのゲン』を貴重な資料として、より多くの人に読んでもらい、活用させていただきます。

 ここであらためて「はだしのゲンをひろめる会」の寄贈活動に感謝いたします。

中日友好・世界平和をお祈りします。

敬具

中国人民大学外国語学院日本語学部

                          2017年9月7日

 はだしのゲンをひろめる会も参加している反核・平和おりづる市民のつどい実行委員会が10月15日、松ヶ枝福祉館で計画している「ヒバクシャ国際署名」キャンペーンイベントin金沢の開催案内を紹介します。

 

【確定版】171015林田講演会チラシ(PDF:837KB)

はだしのゲン・紙芝居

出版物の紹介


はだしのゲン
『わたしの遺言』
 中沢啓治 著

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