広めよう

◇講演要旨◇

ヒバクシャ国際署名キャンペーンイベントin金沢

核なき未来はぼくらがつくる!

ヒバクシャ国際署名キャンペーンリーダー         

林田  光弘

 

 10月15日(日)、金沢市松ヶ枝福祉館で「ヒバクシャ国際署名キャンペーンイベントin金沢」が開催されました。最初に今年六月に完成したDVD「この空を見上げて~石川・被爆者たちの証言」の第1部(38分)を上映した後に、長崎出身の被爆三世で国際署名キャンペーンリーダーである林田光弘さんの講演がありました。

   主催は反核・平和おりづる市民のつどい実行委員会。以下は林田さんのお話しの要旨です。

 

           

 二つの画期的な出来事

 この間に二つの画期的な出来事がありました。一つは7月7日に国連で「核兵器禁止条約」が採択されたこと。もう一つはICANがノーベル平和賞を受賞したことです。ICANとは、核兵器禁止条約をつくるために結ばれた世界中の500余の団体のネットワークのことです。ノーベル平和賞というのは政治的な賞で、かつてオバマ大統領が受賞したのも核兵器廃絶に向けての期待を込めてのものでした。この二つの出来事に共通しているのは被爆者の体験がエネルギーになって実現したということです。私は、これらのことを通じてキャンペーンメンバーに対して、次は被爆者に核廃絶を届けるのだという宿題をもらったと受け止めました。

 事態を正確に捉えるために詳しく見ていきます。

 被爆者の四つの概念

 被爆者というのは法的な概念です。特定地域の四つの分類(直爆、入市被爆、介護被爆、胎内被爆)の条件を満たす者となっています。被爆者の数は2017年3月現在で164,621人となっています。1980年がピークで372,264人でした。被爆者であるということで差別されることを恐れて名乗りをしていない人や被爆者手帳をとっていない人がかなりの数います。

 今日までが被爆体験

 被爆体験と言いますが、被爆者にとっては1945年8月6日と9日から今日までが被爆体験であるということです。健康上、精神上、社会的にも大変な体験が今も続いているということです。

 また健康手当など被爆者援護の施策は色々ありますが障害者などと同じ社会福祉の制度です。国家が行った戦争によって被害を被ったことへの「国家補償」ではないということです。それから在外被爆者、台湾や朝鮮半島(特に帰国運動当時はより豊かであった北朝鮮の地域に帰った人の方が多かった)など戦前は日本の植民地であった地域に住んでいるひとが除外されていた事実もあります。更にABCC(放射線影響研究所)の問題があります。被爆者はここに連れていかれてデータだけ取られました。治療をすればデータがとれないから肝心の治療はしてもらえなかったわけです。これらが被爆者体験という事実です。

 核兵器は大量破壊兵器

 核兵器について述べます。効果が一定の対象に限定できないという意味で大量破壊兵器とされています。大量破壊兵器で最大、最悪のものが核兵器ですが、現在の核兵器は広島・長崎で使用されたものの3,300倍の破壊力を持ち、9か国で14,900発保有しています。1970年に発効したNPT体制とは、当時の既保有国5か国を除いて他国の保有を許さないというものでした。5年ごとに再検討会議を開いて効果を検証して来ましたが、その後4か国が条約から離脱し、拡大されてしまいました。そこで2010年に赤十字国際委員会は核兵器の非人道性に着目して総裁声明を出しました。さっきの被爆者の四つの類型のうち「介護被爆者」の存在は、医療者にとっては被爆者の救護に当たって敵であるか味方であるか、勝者か敗者かは関係ありません。この核兵器の非人道性の考え方に基づいて再検討会議の間に国際会議が開かれ核兵器禁止条約に繋がりました。

 何をなすべきか?

 では、何をなすべきかです。日本政府は条約交渉会議に参加しませんでした。採択後も署名しないと表明しました。日本政府は国連総会に毎年「核全廃宣言」を出して多数の賛同を得てきましたが、核兵器禁止条約が採択された今年は世界から相手にされていません。私たちは「核の傘」に向き合うべきです。核保有国とその同盟国の中で、唯一の戦争被爆国である日本政府の動向は重要です。日本政府が橋渡しの役割を本当に果たせば、大きく変わる可能性があります。例えばオバマがやろうとした「核の先制使用はしないという宣言をする」こと、「全ての核実験を禁止すること」など現実的対応を引き出すことも可能です。ヒバクシャ国際署名を推進しましょう。

 署名は対話のためのツールです。日本の署名の到達は5,154,866筆まで来ました。ヒバクシャ国際署名に賛同して署名をした自治体の首長は867あります。全国の自治体数の過半数です。核保有国と我が国を含めた多くの同盟国の参加を求め、核抑止力による安全保障政策を変えさせる運動を一層強めなければなりません。核廃絶を「夢」にしないために。

◎講演会終了後、近江町市場前でヒバクシャ国際署名を呼びかける宣伝行動を20名の参加で行いました。短時間でしたが40筆を超える署名が集まりました。

 

日本ブースで、IPPNW共同代表のティルマン・ラフ氏を囲んで記念撮影

 

 2017年IPPNW世界大会に参加して

核戦争を防止する石川医師の会世話人  武藤一彦

 久しぶりの海外渡航に、不安と期待が入り交じった心は、年をとったから減じたかというとそうでもない。「核戦争を防止する石川医師の会」は、長い間会員として過ごしていたが、保険医協会の理事を仰せつかったのを機会に、お世話役も引き受け、2年に一度開かれる世界大会に参加を希望した。それもイギリス・ヨークである。

 世界が、いや地球がどうなるか分からない時期に、それも「核戦争を防止する」世界の医療関係者の集まりに参加する機会を与えて頂いた保団連(全国保険医団体連合会)の活動に感謝したい。「子どもは未来」を信条として診療を行っているつもりだが、子どもの健康を害するのは病気だけではなく親からの虐待や家庭の不和・貧困、戦争などいとまがない。しかし、なんと言っても戦争は最右翼であり、核戦争は世代にわたって人間を苦しめ、被爆者に「生き地獄」と言わしめるほど強烈である。

「はだしのゲン」英語版を薦める筆者

 「はだしのゲン」を読み、核爆弾の威力は破壊・放射能・遺伝子変化によるガン、家族離散と村八分、社会からの差別などあらゆる不幸が襲いかかることを知った。この漫画本が10冊あるのは、被爆してからの生活が如何に過酷であるかを描いているからである。

 3日間(9月4日~9月6日)にわたる会議で、まず核兵器が非人道的で、軽度であってもガンの不安を一生背負わせ、かつその子孫も影響を受けるということが語られた。さらに、世界で起きているテロや虐待について語られ、国による経済的格差の問題なども提示された。人間世界で起きている生き地獄は、やはり人間が作り出しているのだ。IPPNWは、核戦争だけを問題にしてはいない。それにいたる、道筋である健康に光を当て、誘因となる全ての問題点に立ち向かっていると感じた。

 人間の健康も、予防の面から見直されているが、平和な社会、幸せな社会も、人間の健康を努力して守る事から得られるのだ。「核兵器禁止条約」も、この条約のスローガン、「Health Through Peace 2017(平和を介して健康を)」をアッピールして勝ち取られ、採択されたと聞く。核保有国の多くは、採択に応じず、採択国に対して最終決定に従わないように画策しているという。核の傘に守られているという日本も採択を逃れた。唯一の被爆国日本が考えを変え、採択から賛成への票を投じてほしい。核の抑止力ほど当てにならないものは無いのである。

 3日目、日本医師会会長の横倉義武氏が、世界医師会長になると言うことで意見を言われた。核戦争が悲惨であり、この条約を多くの国々が採択し、賛成多数となることを願われたが、日本の態度については、言葉が無かったことが悲しい。

 IPPNWは、世界の子ども達が生まれてきて良かったと感じる環境こそ、この地球に遺すべき最大のプレゼントであることを改めて教えてくれた。37カ国500名の熱い思いに感謝しつつ古都ヨークを後にした。

<『はだしのゲン』英語版の寄贈報告>

 「反核医師の会」日本ブースでは、鶴の折り方の指導に人気が集まり、原爆症で亡くなられた「折り鶴の少女・佐々木禎子さん」の話をしながら国際署名を集めました。その横に『Bearfoot Gen(はだしのゲン)』の英語版を無料で贈るコーナーを設けました。原爆の非人道性をこれほど見事に描いた作品は無いでしょう。漫画という誰にでも理解しやすい方法で、被爆者のみならずその子孫にまで不幸をもたらす兵器の真実を伝える傑作と思います。7名分の枠に6名の希望がありました。Tilman Ruff氏も立ち寄られ、希望されました。お話しではコピー版で読まれたとのことでしたので、シリーズ①から⑩を贈りました。その他5名のうち3名は若い方でヨーク大学の学生でした。

 今回のIPPNW世界大会ではイギリス(4)、オーストラリア(1)、インド(1)からの参加者に6セット寄贈しました。

 

「はだしのゲン」「Barefoot Gen」を寄贈した中国大陸の大学を表示しました

 

 「はだしのゲン」中国語版翻訳グループからの働きかけにより、中国大陸の大学関係者20人から英語版14セット、日本語版22セットの寄贈希望があり、下記のように本会から寄贈しました。

月日 寄贈先 日本語版 (セット数) 英語版 (セット数) 中国語版(セット数)
7月27日 中国 厦门大学 外文学院 1 1  
8月5日 中国 南通职大 1 1  
8月5日 中国 杭州师范大日本語科 1 1  
8月5日 中国 南昌大学 1 1  
8月5日 中国 天津工业大学 外国语学院日语系 1 1  
8月5日 中国 蘇州科技大学 外国語学院日語系 1 1  
8月5日 中国 大连外国语大学 3 1  
8月5日 中国 牡丹江师范学院 图书馆 1 1  
8月5日 中国 浙江大学 宁波理工学院日语系 1 1  
8月5日 中国 広西大学 外国語学院      
8月5日 中国 江苏师范大学 1 1  
8月11日 中国 建陵高级中学 1 1  
8月11日 中国 广东外语外贸大学东方语言文化学院 1 1  
8月11日 中国 泉州师范学院 外国语学院 1    
8月11日 中国 人民大学外国語学院 日本語学部  1 1  
8月11日 中国 人民大学 図書館  1 1  
8月25日 中国 北京外国語大学 日本学研究センター 1    
8月25日 中国 河北工業大学 1    
8月31日 中国 社会科学院日本研究所図書室     1
8月31日 中国 青島農業大学外国語学部 1    
9月1日 中国 吉林华桥外国语学院 东方语学院 1    
9月1日 中国 西安交通大学大学城市学院外语系 1    

 

 各大学から順次、受取証書や感謝状が返送されています。中国人民大学外国語学院から届いた感謝状を紹介します。

感 謝 状

 

尊敬する浅妻南海江理事長 様

尊敬するはだしのゲンをひろめる会御中

 

 拝啓  この度は、「はだしのゲンを広める会」より、汐文社刊全10巻漫画『はだしのゲン』の日本語版と英語版をお贈り頂きまして、中国人民大学外国語学院日本語学部・中国人民大学図書館を代表いたしまして、心より感謝の意を申し上げます。

 『はだしのゲン』中国語版翻訳者の坂東弘美さまのおっしゃったとおり、私たちは地球人として、核戦争を二度としてはいけない。平和の時代を生きている私たちであるこそ、戦争の悲惨さを忘れずに、世界の平和を祈るべきだと思います。

 『はだしのゲン』は優れたマンガ作品です。私たち教育の現場にいる者にとっては、それは平和教育はもちろん、日本語教育にも、そして何よりも日本のサブカルチャー研究、特に中国で行われ始めている日本マンガ研究にも大きな役割を果たせるべきだと思います。『はだしのゲン』を貴重な資料として、より多くの人に読んでもらい、活用させていただきます。

 ここであらためて「はだしのゲンをひろめる会」の寄贈活動に感謝いたします。

中日友好・世界平和をお祈りします。

敬具

中国人民大学外国語学院日本語学部

                          2017年9月7日

 はだしのゲンをひろめる会も参加している反核・平和おりづる市民のつどい実行委員会が10月15日、松ヶ枝福祉館で計画している「ヒバクシャ国際署名」キャンペーンイベントin金沢の開催案内を紹介します。

 

【確定版】171015林田講演会チラシ(PDF:837KB)

 

   印刷用(PDF:235 KB)

 

 9月23日、金沢市近江町交流プラザ集会室にて開かれる「国連・核兵器廃絶デー記念講演会」(主催:核戦争を防止する石川医師の会)にNPO法人はだしのゲンをひろめる会も後援団体として協力しています。本会HPに紹介します。

<国連核兵器廃絶デー記念講演会のご案内>

日 時 :2017年9月23日(土)午後6時半~8時45分
会 場 :近江町交流プラザ 集会室(定員80人)
入場料 :無料(申込必要:☎076-222-5373)
内 容 :
(1)被爆の実相を知る【DVD上映】
DVD「この空を見上げて~石川・被爆者たちの証言~」より一部 上映

(2)核兵器禁止条約について学ぶ【講演会】
核兵器禁止条約とこれから
―北朝鮮とアメリカへの日本の回答、北東アジア非核兵器地帯-
 お話:山口 大輔氏(NPO法人ピースデポ)

 NPO法人ピースデポは、核兵器廃絶と軍事力に頼らない安全保障の実現をめざす市民発のシンクタンクとして、核兵器をめぐる国際 情勢の最新動向を伝え、調査・研究活動を行っている団体です。
http://www.peacedepot.org/

★ 同日17:30より、近江町市場前(エムザ口付近)にて、 「ヒバクシャ国際署名」への協力を訴える街頭宣伝を行います。 ぜひご参加ください。
【集合】17:15、エムザ口バス停付近

 

 

感謝状

尊敬する浅妻南海江理事長 様 

 拝啓 この度は、「はだしのゲンを広める会」より、汐文社刊全10巻漫画『はだしのゲン』の日本語版と英語版をお贈り頂きまして、厦门大学外文学院を代表して心より感謝申し上げます。

 あなた様がおっしゃっていますように、戦争の記憶はなくしてしまってはいけませんし、戦争の傷跡は長く続きます。中澤啓治さんの漫画作品『はだしのゲン』は、原爆は人類と共存しないこと、平和の大切さを語っています。これは私たちが教育の現場で必要不可欠な内容です。

 私たちはそれらを貴重な資源として、平和教育に役立て、積極的に基礎日本語教育の諸活動に取り入れたいと考えております。又学生たちには、読後の感想を書かせ、どのように感じたか、語り合い、日中の友好、世界の平和のために成ることを願っています。

 ここにもう一度「はだしのゲンを広める会」の寄贈活動に感謝し、あわせて、皆様が厦门大学にご指導においでになることを歓迎いたします。

                    厦门大学外文学院 日本語学部
                                2017年8月8日

   NPO法人はだしのゲンをひろめる会も参加している反核・平和おりづる市民のつどい実行委員会が8月3日~17日、石川県庁19階展望ロビーで開催する「2017年平和のパネル展」を紹介します。

案内チラシ(PDF:219KB)

はだしのゲンをひろめる会リーフレット(改訂版)を作成しました。

全体を閲覧する【PDF】

 

 

『はだしのゲン』寄贈・2校目が実現

さっそく図書室に置かれる

奈良県保険医協会

 奈良県保険医協会は患者住民の生命と健康を守る医療人として平和を守るための活動のひとつとして『はだしのゲン』(中沢啓治著)の寄贈活動に取り組んでいます。

 3月23日、生駒市立緑ヶ丘中学校(上西均校長・写真左)に『はだしのゲン』日本語版ならびに英語版(ともに全10巻)を贈りました。

 寄贈にあたって青山哲也理事長は、「戦後70年以上を経て第二次世界大戦当時を知る世代が少なくなっている。戦争の悲惨さを描いた『はだしのゲン』を子どもたちに読んで知っていただきたい。英語版もわかりやすい表現で読みやすい。ぜひ教材として活用を」と述べました。上西校長からは「生徒たちには自ら学び、考え、物事を判断する力を身につけてほしいと考えている。そのためには多くの資料や教材を生徒に提供することが必要だ。これらは大いに活用します」と感謝の言葉があり、さっそく図書室に置いていただきました。

 

 ヒロシマ・セミパラチンスク・プロジェクトが2016年8月23日~31日、旧ソビエト連邦のセミパラチンクス核実験場があったカザフスタン共和国を訪問した 報告書がはだしのゲンをひろめる会に届きました。

 報告書のなかで「はだしのゲン」に関わる活動報告とスタディツアーに参加した渡部久仁子さんの感想を紹介します。

<訪問期間>2016年8月23日~ 8月31日

<参加者> 渡部久仁子、中原有貴、廣目千恵美、小畠知恵子

      専門家:星正浩(広島大学名誉教授)、野宗義博(島根大学医学部教授)

<目 的>

①カザフスタンの元留学生と次期留学生および日本語学習者との交流

②セミバラチンスク核実験場閉鎖25周年記念式への参列

③小児病棟への慰間と医薬品購入費として寄付金贈呈

④セメイ医学大学主催国際会議参加

<内 容>

①渡部久仁子さんプレゼン「はだしのゲンが見たヒロシマ」

◆漫画家。中沢啓治氏の被爆体験証言DVD

「はだしのゲンが伝えたいこと」の上映

◆マンガ「はだしのゲン」の説明

◆マンガ「はだしのゲン」使ってヒロシマを伝える活動について

②ツアー参加者。中原有貴さんの発表

◆日本の若者の「カザフスタン及びセミパラチンスク核実験被害」の認識

◆今後の日本とカザフスタンの交流への期待

③交流

◆広島とセメイに関する双方向の質疑応答形式の対話

◆贈呈式  ヒロシマ関連図書など

 贈呈品・マンガ「はだしのゲン」ロシア語版(全5巻)。絵本「おりづるの旅」ロシア語版と日本語版

・折り鶴再生折り紙「ZUTT0 0RIZURU ZUTT0 0RIGAMI」 10セット

 マンガ「はだしのゲン」がまだ知られていなかったので、まず初めに当時6歳だった直接被爆者の作者・中沢啓治氏の体験を基に描かれ、国内外で幅広い世代に読まれていることをその内容とともに、映像と絵を使って紹介した。その後、マンガ「はだしのゲン」に出てくる場所が広島市内に実在することや、それを巡ることで二次元のマンガから、当時子どもだった筆者の体験を立体的な想像を試みる「はだしのゲンフィールドワーク」について説明した。

 プレゼンを通して、実体験者ではない世代が被爆体験を伝承し生かすためにも、キノコ雲の下の地獄を体験している被爆者の目線と、客観的に検証するメタの目線で実相を知ることが大切だと思っていて、そのための入国のような役割を果たすことができる作品だとも思っていると話した。さらに若い世代に馴染みのある漫画という手法で、大人に巻き込まれる弱い立場・子どもの目線で描かれていることや成長する過程で壮絶な体験を「どう生きるか」というテーマに昇華させているところにヒロシマの形成を感じていて、世界中で読んで欲しいと思う理由になっていることを伝えた。通訳の学生の力を借りて日本語でのプレゼンだったが、全員が最後まで関心をもって真剣に聞いてくれた。

◆マンガは若い世代に伝えるにはいい方法だと思う。

◆戦争や原爆のことを知らない世代が、市井の人の体験を直接聞き、その目線をもつて何があったのかを想像。理解しようとすることは重要だと思う。

◆同じ過ちを繰り返さないために、主観的目線と客観的目線双方で物事をとらえ、考える必要がある。

◆広島の経験の伝承・継承や平和学習という取り組みが理解出来た。との感想をもらった。

<スタディツアーを終えて・感想>

渡部久仁子

 今回、カザフスデンでマンガ「はだしのゲン」を通じて、中沢啓治さんの被爆体験とメッセージを若者に話すことができる機会をいただきました。対象者の学生がマンガ「はだしのゲン」について知らないうえに、通訳を挟んで限られた時間内に伝えるという難しさもありましたが、真剣に聴いてくださった学生の皆さんのおかげで、笑顔で話し合うことができました。マンガの利点であるビジュアル表現が言葉の壁を和らげ、イメージ源になり、世代や文化を超えて、ヒロシマの経験を共有することができたと思います.また、交流した大学や日本語学校に、NPO法人はだしのゲンをひろめる会とヒロシマ・セミパラチンスク・プロジェクトにご協力いただき、ロシア語版「はだしのゲン」の寄贈を行うことができました。ありがとうございます。

 良い出会いは活動を続ける力になります。これからも、広島を拠点にマンガ「はだしのゲン」と中沢啓治氏の記録を広く、長く見ていただけるように精進しようと心新たにすることができました。(後略)

<渡部久仁子さんの紹介> 1980年広島市生まれ。2011年、マンガ「はだしのゲン」の作者・中沢啓治さんのドキュメンタリー映画「はだしのゲンが見たヒロシマ」、学校教材用DVD「はだしのゲンが伝えたいこと」を製作。.以降、上映会やゲンフィールドワークなどを通じ、マンガ「はだしのゲン」の一読・再読を呼びかけている。

はだしのゲン・紙芝居

出版物の紹介


はだしのゲン
『わたしの遺言』
 中沢啓治 著

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