広めよう

NPO法人はだしのゲンをひろめる会では、被爆の実相を子どもたちに伝えるために、漫画『はだしのゲン』(全10巻)を石川県内の小・中学校に寄贈する取り組みを、核戦争を防止する石川医師の会と共同で取り組んでいます。

11月29日には穴水町教育委員会を訪問し、小学校2校に日本語版を、中学校1校に日本語版と英語版を1セットずつ寄贈しました。(日本語版は医師の会から、英語版はひろめる会から寄贈)

寄贈式には、教育委員会から大間順子教育長と事務局、ひろめる会から事務局長の神田、医師の会から事務局の小野さんが出席しました。大間教育長はご挨拶一つで場がエネルギーに満ち溢れるようなとてもお元気な方で、楽しい懇談となりました。

穴水町教育長の大間順子氏(中央)、ひろめる会事務局長の神田(右端)、医師の会事務局の小野さん

◆医師のメッセージを伝え、配架の工夫を要望

式の冒頭、医師の会からは『はだしのゲン』寄贈運動の経過と寄贈に込めた医師のメッセージを伝え、ひろめる会からは活動紹介とともに、「是非子どもたちの目に留まるような配架を」と要望しました。熱心にメモを取りながら聞いて下さった教育長は、12月の校長会で2団体からのメッセージを直接校長に伝えること、そして配架の件も学校司書(小中学校・計3校に一人)に伝えることを約束してくださいました。

◆「読書は心の投資」

穴水町の学校では「読書は心の投資」として、読書習慣を大事にしているそうです。「はだしゲンは、きっと皆が進んで手に取ってくれるはず!」と、寄贈を大変喜んでいただきました。また、英語版は中学校に寄贈したものですが、「先に小学生に英語版を見せてあげたい。英語版のゲンに触れることで、子どもたちは他の英語の本にも興味を持ち、世界が広がるはず」と、英語教育に力を入れている様子も報告されました。

寄贈式には、北陸中日新聞のほかケーブルテレビの取材もありました。これらの報道によって、学校以外でも『はだしのゲン』が読まれる機会が増えるのではないかと期待しています。

◆ 県内14市町100校に寄贈

寄贈式のセッティングは意外に時間と労力を要するものですが、その報奨は何倍にも大きくなります。教育長等の熱意と実践に触れることができ、ひろめる会の理念と活動、また作者・中沢啓治さんが『はだしのゲン』に込めたメッセージ等を直接お伝えできる貴重な機会にもなります。充実した懇談を終えた時にはいつも、子どもたちが真剣に、時に笑いながら『はだしのゲン』を読む姿が想像できて、次の寄贈への励みにもなっています。

核戦争を防止する石川医師の会と共同の『はだしのゲン』寄贈運動は、穴水町への寄贈で石川県内14市町100校(日本語版101セット、英語版12セット)となり、未寄贈の自治体は珠洲市、能登町の2か所になりました(3自治体は寄贈辞退)。2024年はこの2自治体への働きかけが焦点になります。来年の報告を楽しみに待っていてください!

漫画『はだしのゲン』は現在24言語に翻訳され、世界中で読まれています。ゲンを翻訳した皆さんはどんな思いで訳され、どんなエピソードをお持ちなのでしょうか?『はだしのゲン』翻訳・出版グループのプロジェクト・ゲン(中国語翻訳・坂東弘美さん)が翻訳者を取材した様子を「ゲンの翼 はだしのゲン翻訳者たちの物語」としてYouTubeに公開しています。ぜひご視聴ください。

YouTube「ゲンの翼 はだしのゲン 翻訳者たちの物語」

 

     

 

 随時更新中!

 

【漫画「はだしのゲン」連載開始50年に寄せて】

ゲンの翼  はだしのゲン   翻訳者たちの物語

 世界には様々な民族があって その数は数千になるそうです。その多くの人たちは それぞれの言語や文化や歴史を持っていますが 悲しみの感情は みな同じです。自分の知らないことは 後ずさりしがちで怖いけれども 謙虚にもなり 新しいことを知ろうとする力にもなるものです。逆に知らないということが 偏った見方や差別となって争いごとを起こしかねません。お互いに知ろうとし 理解し合うために努力をすれば 争いの芽を摘み取れるかもしれません。誰かが大切にしているものを踏みつけることは 争いの種や芽を育てることになってしまわないでしょうか。

 理解するということは 同じになるということではありません。自分のことを主張する前に 相手の立場を想像してみるということです。それを積み重ねていけば きっとより穏やかな社会になるに違いありません。

 若い人たちの国際交流やお互いを理解する力が 大きな鍵を持っています。

 二度と原爆を使ってはならないと決心して 広島の焼け跡に立ったゲン 少年ジャンプ連載から50年経った今 ゲンは いくつもの言葉を話す少年となり、世界各国を歩き回っています。コツコツと 争いの種を取り除いて 代わりに平和の種を植える仕事をしています。

 どうぞ皆さん   ゲンを応援してください。

(プロジェクト・ゲンからのメッセージ)

 

 

漫画「はだしのゲン」連載開始50周年記念
映画「はだしのゲンが見たヒロシマ」シネモンド上映 連動企画

映画「はだしのゲンが見たヒロシマ」の監督&製作者と話そう!

 ゲスト:監督・石田優子さん、製作・渡部久仁子さん

※都合により石田監督はオンラインで登壇されることとなりました。渡部久仁子さんは来場予定です。

日時:2023年8月13日(日) 15:00~16:45(受付開始14:30)

会場:石川四高記念文化交流館  2階 多目的利用室3

申込:こちらをクリックし、必要事項を記入の上お申し込みください。

定員:30名

参加費:500円

主催:NPO法人はだしのゲンをひろめる会(問合せ:080-1962-6216 小野)
協力:シネモンド

◆8/12(土)~8/18(金)までシネモンド(金沢市香林坊東急スクエア4階)で、映画「はだしのゲンが見たヒロシマ」が上映されます。8/13(日)には石田優子監督の挨拶を予定していましたが、都合により製作・渡部久仁子さんの挨拶に変更となりました。

 広島を活動の拠点として国際平和事業を行うNGO  ANT-Hiroshimaからはだしのゲンをひろめる会やプロジェクト・ゲン等と連携した「漫画『はだしのゲン』連載開始50周年記念イベント」の提案があり、昨年12月に実行委員会を結成して準備を進めています。この程、案内チラシが完成したのでHPに紹介します。

 

チラシ表面 印刷用PDF 270KB

 

チラシ裏面 印刷用PDF 333KB

2023年2月28日

談話

平和教育教材から『はだしのゲン』を削除した広島市教育委員会の決定について

日本原水爆被害者団体協議(日本被団協)

事務局長 木戸季市

 今回の広島市教委の決定を聞いて、驚き、あきれています。

 被爆者(5歳、長崎被爆)として、長く学校(小中高大院)で学び、ほぼ40年間教育の場(短大教員)で生きてきた者として、怒りを禁じ得ません。

 削除を決定した広島市教委、審議にあたった13人の識者、教育専門家に教育とは何かを根本から考える人はいなかったのでしょうか? 一人でも教育とは何かわかっている人がいたらこんな結論を下すことはなかったでしょう。

 今回の改訂にあたって「『漫画』の一部を取り上げるだけでは、被爆の実態に迫りにくい」として、「被爆者の体験談に差し替えることにした」と報道されています。悲しくなります。原爆が人間に何をもたらしたか全く分かっていないと感じるからです。

 被爆者の体験談は多くの場合、個人の体験です。『はだしのゲン』は多くの被爆者の体験を基に被爆者が苦しみ、生きてきた全体像を描いています。『はだしのゲン』を削除し「被爆の体験」に差し替えることは原爆被害の全体像を見せない結果をもたらしかねません。真逆の判断です。

 教育委員会のみなさんは日本被団協の『原爆被爆者の基本要求』の「原爆がもたらしたもの」をお読みになったでしょうか。被爆者が何を求めて生き、たたかってきたかを学び検討されたでしょうか。

 さらに看過できない根源的な問題があります。一つは教育行政の責務は教育条件の整備であり教育内容への介入はできないということです。もう一つは人類の歴史を知り学ぶとはどういうことかという問題です。「児童の生活実態に合わない」ことを理由に過去の出来事を学ばせないことは過去の事実を学ばせず人類の歴史を学ばない行為です。これほど人類史を冒涜する行為があるでしょうか。

 密室の会議で表現の自由を抹殺する行為は戦前の言論弾圧の歴史、菅内閣の学術会議会員の任命拒否を思い起こさせます。密室、理由なき結論の押し付けは戦争への道につながります。許せません。

 広島市教委は今回の措置を撤回し、広島市民、被爆者に広く開かれた公開の新しい会議を設け、改めて審議されるべきだと考えます。広島市教委の猛省を求め、談話とします。

印刷用PDF:134KB

◎2月28日、広島市教育委員会宛に送付された日本被団協事務局長の談話です。県内在住の西本多美子さん(元石川県原爆被災者友の会会長)から提供いただきました。

 日本のうたごえ協議会機関紙「週刊  うたごえ新聞」2021年11月8日号に中沢啓治さんが作詞した「広島 愛の川」作曲、作曲家の山本加津彦さんのインタビュー記事が掲載されました。

 昨年、被爆75年を契機に、この「広島 愛の川」をみんなで歌おうというプロジェクトが取り組まれました。今年12月3日~5日、広島で開催された「日本のうたごえ祭典」にて4部に編曲された演奏がおこなわれました。

 「うたごえ新聞」編集部の了解を得ましたので本会ホームページに紹介します。

印刷用PDF:1MB

 

 NPOはだしのゲンをひろめる会も参加している「反核・平和おりづる市民のつどい実行委員会」では、2005年から毎年夏に石川県庁19階展望ロビーで「原爆と人間展/平和のパネル展」を開催しています。今年は核兵器禁止条約の発効記念として以下の要領で開催します。詳しくは案内チラシをご覧ください。

 日時  2021年8月2日(月)~8月16日(月)/展示時間 10:00~20:00

 会場  石川県庁19階展望ロビー

 主催  反核・平和おりづる市民のつどい実行委員会

                                印刷用 PDF:987KB

◎国際平和博物館ネットワークより下記の出版物を提供いただきました。本会ホームページに紹介します。

『世界における平和のための博物館』について

拝啓   

    平和のための博物館関係の皆さま、2020年の年の瀬をむかえ、大変な一年でしたがいかがお過ごしでしょうか。
    私たちは国際平和博物館ネットワークという市民団体です。今年の9月に国際平和博物館会議をオンラインで開催しましたが、その時に『世界における平和のための博物館』という博物館名鑑を出版しました。最新版(英語、日本語版)はINMPのホームページで読むことができます。
https://sites.google.com/view/inmp‐2020/museums‐for‐peace-worldwide
    世界で303館そのうち日本は84館あります。原稿を送つて下さつた皆さまには、心よりお礼申し上げます。なお、連絡が取れなかった館については、ホームページを参考に執筆しました。もし訂正があれば、inmpoffice@gmail.comへご連絡いただけますとINMPのホームページで訂正させて頂きます。この本には写真がありませんが、INMPのホームページには載せています。(平和博物館の外観と展示など2枚)
   今回の国際平和博物館会議の報告、ビデオのほとんどを上記のホームページで見ることができます。ただし英語ですので、報告の日本語要旨を次アドレスで読むことができます。
https://drive.google.com/file/d/1FRUu4KxvA6b8NZlM9JauqX64J8gGhwkp/view
   なお海外の平和博物館の和訳や出版、発送では、立命館大学国際平和ミュージアムとINMPの会員の協力で実現しました。
   この本が、今後の活動や他館との連携に活用されることを願つています。
   寒い中ご自愛ください。

敬具

2020年12月23日
京都市北区等持院北町56‐ 1   立命館大学国際平和ミュージアム
INMPオフィス
山根和代
inmpoffce@gmail.com

 

編集者からのお願い

 近年、学校教育や社会教育の機関としての平和博物館の役割への期待が高まっており、多くの平和博物館が新設されたり、既存の博物館が改修されたりしています。また、序文やジョイスロアプセル教授の寄稿文にもあるように、博物館の内容が多様化する傾向にあり、各国の平和博物館の状況は刻々と変化しています。
 本書で取り上げた博物館は、これまで国連やINMP(International Network of Museums for Peace)などが発行してきた平和博物館アーカイブに収録されている博物館のリストをもとに、その後に出てきた新たな情報と合わせてまとめたものです。これまで接触する機会のなかった多くの国や地域で、新たな平和のための博物館が設立されている可能性があると考えています。
 また、COⅥD-19の影響が世界的に広がる中、従来の平和のための博物館は入場者数の激減と収入の激減に見舞われ、当然ながら変革を余儀なくされています。今後10年で戦争体験者が減少していく中で、戦争の「個人の記憶」を「社会的記憶」として保存することが求められるようになり、平和博物館は従来の実物や写真の展示に加えて、電子空間による情報発信にも力を入れていかなければならなくなります。平和資料館を取り巻く環境が変化する中で、平和資料館自体も変化を求められることは避けられず、次の10年は最近の10年とは大きく異なる新たな変化を遂げることが予想されます。
 したがって、本書の内容を常に刷新していくことが不可欠であり、それなしには本書のディレクトリの価値を維持することは困難です。本書の編集者は、INMPが世界の平和のための博物館をさらにネットワーク化していくためには、平和博物館に関する情報を収集・整理していくことが重要であり、後継者がINMPのウェブサイトの情報をさらに充実させていくことが不可欠であると考えています。そのためには、多くの方々の情報提供が必要となりますので、読者の皆様のご協力をお願いしたいと思います。
 情報提供は、inmpoffice@gmail.comまでお願いします。

7月14日、中國新聞の朝刊にカイロ大学のマーヒル教授の「はだしのゲン」出版に関する記事が出ました。

中國新聞デジタル版 http://www.hiroshimapeacemedia.jp/?p=99034

 

 

 毎日新聞社は、英語版(全10巻)のダイジェスト版「『はだしのゲン』を英語で読む」(毎日新聞出版刊)を期間限定でウェブサイトに掲載します。中沢さんが願ったノーモア・ヒロシマ、ノーモア・ナガサキ、ノーモア・ヒバクシャの思いが、さらに広がることを期待します。【「『はだしのゲン』を英語で読む」編著者・山口一朗】

 

 毎日文化センター広島が2013年に編集した「『はだしのゲン』を英語で読む」にはプロジェクト・ゲンも協力しており、この度、編著者の山口一朗さんからプロジェクト・ゲンに以下の連絡がありました。はだしのゲンをひろめる会ホームページに紹介します

 

毎日新聞社では書籍「『はだしのゲン』を英語で読む」の期間限定ネット公開を始めました。

https://mainichi.jp/barefootgen/

こちらで、シェア&ツイートもしていきます。

Facebook https://www.facebook.com/eigo.de.gen/

Twitter https://twitter.com/eigo_de_gen

約300ページある本を20に分けて、7月17日から8月5日まで順次ネット公開していきます。

8月31日まで、載せておく予定です。

SNSやブログ、口コミで、ぜひ、拡散をお願いします。

はだしのゲン・紙芝居

出版物の紹介


はだしのゲン
『わたしの遺言』
 中沢啓治 著

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